終末期の医療・ケアで話し合った内容は、その都度文書にまとめ、家族等と医療・ケアチームで共有する、と国のガイドライン(平成30年3月改訂)に書かれています。あとから記録を見たいときは、患者や家族が開示を求めると、病院は原則として応じなければならないと国の指針(平成15年9月12日)にあります(2026年10月24日確認)。
開示の費用は「実費を勘案して合理的と認められる範囲内」とされ、国の調査(大学病院など87施設)では67%が999円以下、16%が5,000円以上でした。普段の診察での説明を記録に書くことを直接定めた条文は、この指針にはありません。
最近の話し合いについて、日付・同席した人・決めたことを1行ずつ、家のメモに書いておく。病院の記録とは別の、家族の控えになります。
『今日話したことを、記録に残してもらえますか?家族も同じ内容を見られるでしょうか。』
面談や診察の終わりに、医師か看護師に言います。残し方や見られる範囲は病院で違うので、答えを聞いて日付とあわせてメモします。
話し合いを残すことについて、国のガイドラインが言っていること
ガイドライン解説編は、話し合った内容は文書にまとめ、家族等と医療・ケアチーム(担当の医師と看護師に、ほかの医療・介護従事者が加わる集まり)の間で共有しておくことが、本人にとっての最善の医療・ケアのために重要だとしています。
本人の意思は、時間の経過や心身の状態の変化、医学的な評価の変更で大きく変わりうるため、話し合いは繰り返し行うものとされています。残したあとに話し直すのは、ガイドラインの想定の内です。
あとから診療録(カルテ)を見たいときの手順
| 項目 | 内容 | 指針の箇所 |
|---|---|---|
| 見られる記録 | 診療録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、入院中の診療経過の要約など | 2、7(1) |
| 頼み方 | 病院の管理者が決めた方式で申し立てる。書面が望ましく、条件を満たせばオンラインも可。申立ての理由を尋ねるのは不適切 | 7(3) |
| 頼める人 | 原則は本人。法定代理人、任意後見人、本人から代理権を与えられた親族等、判断能力に疑義のある成人の世話をしている親族等も。15歳以上の未成年は、病気の内容によって本人のみの請求を認められる | 7(2) |
| 断られる場合 | 第三者の利益を害するおそれがあるとき、本人の心身の状況を著しく損なうおそれがあるとき。断る場合は原則として文書で理由を示し、苦情を受ける窓口も説明する | 8 |
| 費用 | 実費を勘案して合理的と認められる範囲内。一律の定額が合わない場合もあり、医師の立会いを必須にするのは不適切とされる | 7(4)、平成30年の周知通知 |
厚生労働省医政局長通知「診療情報の提供等に関する指針の策定について」(平成15年9月12日)と、同局「診療情報の提供等に関する指針について(周知)」(平成30年7月20日)による。
開示の費用と、かかる日数の目安
| 見るもの | 結果 | 割合 |
|---|---|---|
| 費用 | 999円以下 | 67% |
| 費用 | 5,000円以上 | 16% |
| 開示までの日数 | 約2週間 | 38% |
| 開示までの日数 | 約3週間 | 37% |
| 開示までの日数 | 約4週間 | 25% |
平成29年9〜10月に行われた、特定機能病院・大学病院87施設の調査(平成30年7月の周知通知に掲載)。費用は白黒1枚を請求した場合の集計です。古い調査なので、実際の額と日数は病院に尋ねてください。
記録が残っている期間
保険医療機関及び保険医療養担当規則(病院や診療所が守る国の決まり)の第9条は、患者の診療録を、その完結の日から5年間保存するとしています。古い話し合いの記録を見たいときは、いつの分かを病院に伝えます。
関連ページ
この話をnoteで読む話し合ったことを、病院の記録に残してもらえますか? 第216問このページの出どころ
- 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン 解説編」(平成30年3月改訂)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000197722.pdf(2026年10月24日確認) - 厚生労働省医政局長通知「診療情報の提供等に関する指針の策定について」(平成15年9月12日・医政発第0912001号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3403&dataType=1&pageNo=1(2026年10月24日確認) - 厚生労働省医政局「診療情報の提供等に関する指針について(周知)」(平成30年7月20日)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3511&dataType=1&pageNo=1(2026年10月24日確認) - 厚生労働省保険局医療課医療指導監査室「保険診療の理解のために」(令和6年度診療報酬改定に基づく)
(厚生労働省ホームページ掲載のPDF。2026年10月24日確認。URLは移転で開けなくなったため、題名で探してください)
このページの作成日:2026年10月24日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。
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