人生の最終段階の医療・療養について、家族や医療・介護の人と話し合ったことが「ある」人は、一般国民で29.9%です(「詳しく話し合っている」1.5%と「一応話し合っている」28.4%の合計)。「話し合ったことはない」は68.6%でした(厚生労働省の意識調査、令和4年度、2026年10月11日確認)。
意思を書面にあらかじめ残しておくことへの賛否は、「賛成」69.8%、「反対」1.3%、「わからない」27.0%です(同調査)。書いた紙をどこへ渡すかを定めた一本の決まりは、今回開いた厚生労働省の資料には見当たりません。公的な案内は、話し合う相手と、結果を共有することを軸にしています。
親が書いた紙がしまってある場所を、メモに1行だけ書く。中身を読む必要はありません。
『親が希望を書いた紙があります。診察のときに見てもらえますか。』
かかりつけの医師の診察や、入院先の面談の場で、紙を手に持ったまま伝えます。
話し合った人は3割、書面に賛成の人は7割
| 聞かれたこと | 答え | 割合 |
|---|---|---|
| 家族や医療・介護の人との話し合い | 詳しく話し合っている | 1.5% |
| 家族や医療・介護の人との話し合い | 一応話し合っている | 28.4% |
| 家族や医療・介護の人との話し合い | 話し合ったことはない | 68.6% |
| 意思を書面にしておくこと | 賛成である | 69.8% |
| 意思を書面にしておくこと | 反対である | 1.3% |
| 意思を書面にしておくこと | わからない | 27.0% |
厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」令和4年度、一般国民の結果(問4・問10)から作成。2026年10月11日確認。この報告書には、書面を実際に作成している人の割合を尋ねた設問はありません。
紙を見てもらう相手は、一人とは限らない
厚生労働省は、人生会議(ACP。もしものときのために望む医療やケアを前もって考え、繰り返し話し合い、共有する取組)の愛称を「人生会議」に決めました。11月30日(いい看取り・看取られ)は「人生会議の日」です。
| 相手 | 公的な資料の書きぶり | 書いた紙でできること(筆者の整理) |
|---|---|---|
| 信頼できる人(家族など) | 信頼できる人や医療・ケアチームと話し合い、結果を大切な人たちに伝えて共有する | 紙のある場所と、書いた時期を伝えておく |
| 医療・ケアチーム(医師・看護師・介護の担当者など) | 本人と医療・ケアチームとの、合意形成に向けた十分な話し合いを基本にする(ガイドライン) | 話し合いの手がかりとして、紙があることを伝える |
厚生労働省「人生会議」の案内(リーフレット)と、同省の人生の最終段階の医療・ケアのガイドライン(平成30年3月改訂)の掲載ページから作成。2026年10月11日確認。右の列は公的資料の記載ではなく、筆者の整理です。
渡したあとに気持ちが変わったとき
人生会議のリーフレットには、心身の状態に応じて、望む医療やケアについての意思は変わることがあり、何度でも繰り返し考え話し合うように書かれています。紙を渡して終わり、という形は想定されていません。書き直したときは、前に渡した先にも新しいものがあると伝えると、古い紙が使われずに済みます。
書いた紙が医療の場でどう扱われるか、法的な効力や様式の決まりは、今回開いた資料では確かめられませんでした。扱いは、渡す先の医療機関に直接聞くのが確実です。
関連ページ
この話をnoteで読む親が延命のことを紙に書いていたのに、それを誰に渡せばよいのかが分かりません。 第75問このページの出どころ
- 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」(令和4年度・一般国民。問4・問10)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/saisyuiryo_a_r04.pdf(2026年10月11日確認) - 厚生労働省「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称を「人生会議」に決定しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02615.html(2026年10月11日確認) - 厚生労働省「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)してみませんか?」
https://www.mhlw.go.jp/stf/web_magazine/closeup/23.html(2026年10月11日確認) - 厚生労働省 人生会議の案内リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000536088.pdf(2026年10月11日確認) - 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」掲載ページ(改訂 平成30年3月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html(2026年10月11日確認)
このページの作成日:2026年10月11日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。