親の暮らしを家で支える相談の入口になる地域包括支援センターは、全国に5,487か所あります(支所を含めると7,374か所。厚生労働省「地域包括ケアシステム」、令和7年4月末現在)。
介護の居宅サービスには1か月に使える上限があり、要支援1の50,320円から要介護5の362,170円まで7段階です(厚生労働省 介護サービス情報公表システム、2026年10月17日確認)。訪問看護は、ふつう介護保険から使い、病気や状態によって医療保険に切り替わります。
親が住んでいる市町村名と「地域包括支援センター」で検索し、担当センターの電話番号をスマホの連絡先に入れておきます。
『母は家で暮らし続けたいそうです。通院のことと家での手助け、まとめて相談できますか?』
親の住所地の地域包括支援センターの窓口か電話で、最初にこの一言を伝えます。
家での介護に使える上限は、要介護度で7段階
介護保険には、在宅で使うサービス(訪問介護・通所介護・訪問看護・福祉用具など)の合計に、要介護度ごとの月の上限があります(区分支給限度基準額)。上限の範囲では原則1割負担、一定以上の所得があると2割または3割です。上限を超えた分は全額が自己負担になります。
| 要介護度 | 1か月の上限(居宅サービス) | 上限まで使ったときの1割分(計算) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 | 5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 16,765円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 19,705円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 30,938円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 36,217円 |
上限額は厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護保険のしくみ・利用料」の表示(2026年10月17日確認。単位数は掲載なし)。右の列は、左の金額に1割をかけた筆者の計算です。2割・3割の人は、同じ上限でそれぞれ2倍・3倍になります。
誰に何を頼むか:窓口は役割で分かれています
| 頼みたいこと | 最初の窓口 | 数字・条件 |
|---|---|---|
| 医療も介護もまとめて相談 | 地域包括支援センター(市町村が設置) | 総合相談・権利擁護・介護予防の援助が仕事。全国5,487か所(令和7年4月末) |
| 介護サービスの組み合わせ(ケアプラン) | ケアマネジャーのいる居宅介護支援事業所 | ケアプランをつくる費用は全額が保険給付で、利用者負担はなし(要介護の人。令和7年7月版の概要資料) |
| 家での診察・往診 | かかりつけ医、在宅療養支援診療所 | 在宅療養支援診療所の届出は全国14,725施設(令和6年3月31日時点) |
| 家での看護(点滴・傷の手当て・療養の見守りなど) | 訪問看護ステーション(主治医の指示書が必要) | 指定数は令和6年度に19,314か所(翌年度4月1日時点) |
地域包括支援センター数は厚生労働省「地域包括ケアシステム」、そのほかは下の出どころの各資料による(2026年10月17日確認)。使える医療や介護の顔ぶれは地域で違うため、相談先で近くの事業所を聞きます。
訪問看護は、介護保険と医療保険のどちらで受けるか
制度上は、介護保険の給付が医療保険の給付より先に使われます。ただし、病気の種類や状態によっては、要介護の人でも医療保険で訪問看護を受けられます。令和7年6月審査分の利用者は、介護保険が約87.0万人、医療保険が約57.2万人でした(厚生労働省老健局の資料)。
| 状況 | 使う保険 | 補足 |
|---|---|---|
| 要支援・要介護の認定を受けていて、通常の療養 | 介護保険 | 限度基準額の範囲内で、ケアプランに入れて使います |
| 末期の悪性腫瘍・難病など、国が定めた病気や状態(診療報酬の別表第7・別表第8) | 医療保険 | 主治医が必要と指示した場合。対象かどうかは主治医とステーションに確認します |
| 急に状態が悪くなり、一時的に週4日以上の訪問が必要 | 医療保険 | 特別訪問看護指示書の有効期間は原則14日間。一部の人は月2回まで交付され、その場合は28日間 |
| 小児など40歳未満の人 | 医療保険 | 介護保険の対象外の年齢のため |
厚生労働省老健局「訪問看護」(社会保障審議会 介護給付費分科会 第259回資料。2026年10月17日確認)。個別の病気がどちらに当たるかは、このページでは判断しません。
上限と負担割合の見かた
負担割合は1割が原則です。2割になるのは、合計所得金額が160万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額が単身280万円以上(夫婦346万円以上)の場合、3割になるのは、合計所得金額が220万円以上で、同じ合計が単身340万円以上(夫婦463万円以上)の場合です(令和7年7月版の概要資料)。どの割合かは、毎年送られてくる介護保険負担割合証に書いてあります。
訪問看護の加算の一部(特別管理加算など)は、上限の計算に入りません。上限をどれだけ使っているかは、ケアマネジャーが毎月の利用票で見せてくれます。上限に近いときは、サービスの組み合わせを担当のケアマネジャーと見直せます。
関連ページ
この話をnoteで読む親が家で暮らし続けたいと言っています。医療も介護も、別々に探すのですか? 第163問このページの出どころ
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(地域包括支援センター数は令和7年4月末現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/(2026年10月17日確認) - 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護保険のしくみ・利用料」(居宅サービスの月の上限額)
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html(2026年10月17日確認) - 厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」(令和7年7月)
https://www.mhlw.go.jp/content/001512842.pdf(2026年10月17日確認) - 厚生労働省老健局「訪問看護」(社会保障審議会 介護給付費分科会 第259回 資料3)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001716095.pdf(2026年10月17日確認) - 厚生労働省医政局地域医療計画課「在宅医療の提供体制の整備に関する検討等について」(令和7年11月19日・在宅療養支援診療所の届出数は令和6年3月31日時点)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001596924.pdf(2026年10月17日確認)
このページの作成日:2026年10月17日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。