薬剤師が家を訪ねて薬を管理する医療保険の点数は、同じ建物で同じ薬局の訪問を受ける人が自分だけのとき1回650点(6,500円)です(令和8年6月1日適用の調剤報酬点数表、2026年10月16日確認)。

同じ建物で2人から9人なら320点、10人以上なら290点で、回数は月4回まで(末期の悪性腫瘍などは週2回かつ月8回まで)です。介護保険で受ける場合も、薬局の薬剤師は月4回までです。

今日できること(1分)

いま通っている薬局の電話番号と、親を担当しているケアマネジャーや主治医の連絡先を、1枚のメモに並べて書く。

窓口でそのまま言える一言

『親が薬局に行けなくなってきました。薬剤師さんに、家まで来てもらうことはできますか。』

薬局の窓口か電話で、薬を受け取るときに1回だけ言えば足ります。

家に来てもらうときの点数(医療保険の場合)

薬局の薬剤師が家を訪ね、薬の管理と説明をする医療保険の仕組みを、点数表では在宅患者訪問薬剤管理指導(通院が難しい人の家へ薬剤師が行く仕組み)といいます。点数は、同じ建物の中で同じ薬局の訪問を受けている人が何人いるかで3つに分かれます。

同じ建物で訪問を受ける人1回の点数金額(1点10円)3割負担の目安
自分1人650点6,500円1,950円
2人から9人320点3,200円960円
10人以上290点2,900円870円

令和8年6月1日適用の調剤報酬点数表(区分15)の点数を、1点10円で金額にしたものです。薬代や、薬の渡し方による別の点数は含めていません。負担の割合は年齢と所得で変わり、ここでは3割の場合を示しました(2026年10月16日確認)。

医療保険と介護保険で、回数の上限はどう違うか

同じように薬剤師が家へ来る仕組みが、介護保険にもあります。居宅療養管理指導(介護保険で薬剤師が家を訪ねる仕組み)です。どちらの保険で受けるかによって、点数か単位かという金額の表し方が変わり、上限の回数も表のように決まっています。

比べる点医療保険介護保険
薬局の薬剤師が来る場合の月の上限月4回まで月4回まで
末期の悪性腫瘍、注射による麻薬の投与、中心静脈栄養の人週2回かつ月8回まで週2回かつ月8回まで
病院・診療所の薬剤師が来る場合このページでは扱いません月2回まで
金額の表し方点数(1点10円)単位(このページでは金額を載せていません)

介護保険の単位数は、公式資料の表の文字が崩れて数字をそれぞれの区分に対応づけきれなかったため、載せていません。見積もりは薬局かケアマネジャーに出してもらえます(2026年10月16日確認)。

家に来てもらうために、そろっている必要があること

条件点数表・告示での書かれ方
通院が難しい在宅で療養を行っている患者であって、通院が困難なもの
医師の指示医師の指示に基づき、薬剤師が薬学的管理指導計画(その人の薬の管理の計画)を作る
薬局の届出あらかじめ訪問の指導を行う旨を、地方厚生局長等に届け出た薬局
薬局と家の距離16キロメートルを超えると、特殊の事情があった場合を除き、この点数は算定できない
交通費訪問にかかった交通費は、患者の家の負担

令和8年6月1日適用の調剤報酬点数表(区分15)の書き方を、短くしたものです(2026年10月16日確認)。

どちらの保険になるか、誰に何を伝えるか

介護保険の認定を受けているかどうか、病気や状態はどうか、薬局がどの届出をしているかによって、どちらの仕組みで受けるかが分かれます。ここでは個別には決められません。二重に請求しないよう、国の告示(要介護の人について医療保険で費用を算定できる場合を定めたもの)は、薬剤師が居宅療養管理指導を行った月は、窓口での通常の薬の説明の点数(服薬管理指導料など)を算定できないとしています。ただし、計画の対象とは別の病気で出た臨時の薬は例外です。

伝える順番の目安は、次の3つです。まず、いま通っている薬局に、家への訪問に対応しているかを聞きます。次に、医師の指示が要るので、主治医に伝えます。介護の認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーにも伝えると、どちらの保険で組むかの相談先になります。

関連ページ

この話をnoteで読む親の通院が難しくなってきたのに、薬は誰かが取りに行くしかないと思っていませんか? 第121問

このページの出どころ

  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法」告示 別表第三 調剤報酬点数表(令和8年6月1日適用)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665294.pdf(2026年10月16日確認。区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料の点数650・320・290、月4回(末期の悪性腫瘍等は週2回かつ月8回)、届出・医師の指示・16キロメートル・交通費の規定)
  • 厚生労働省 指定居宅サービス介護給付費単位数の算定構造(令和8年6月改定箇所)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001675193.pdf(2026年10月16日確認。居宅療養管理指導費ハ 薬局の薬剤師は月4回を限度、病院又は診療所の薬剤師は月2回を限度、がん末期等は週2回かつ月8回)
  • 厚生労働省老健局「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf(2026年10月16日確認。薬局の薬剤師の居宅療養管理指導は1月に4回を限度、末期の悪性腫瘍等は1週に2回かつ1月に8回を限度)
  • 厚生労働省告示第128号(平成20年)要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9797&dataType=0&pageNo=1(2026年10月16日確認。薬剤師が居宅療養管理指導を行った月は服薬管理指導料等を算定できない(別の疾病による臨時の投薬は例外))

このページの作成日:2026年10月16日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

ご利用にあたって(免責事項)

このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。

あわせて:訪問看護が先に入る現実──そこで薬剤師をどう“あとから”足すか

以前の連載記事(2025年12月)から、このページにない部分を移しました。

在宅医療の現場では、多くの場合「まず訪問看護ステーション」が入ってきます。医師が「ご自宅での様子を見てもらいましょう」と考えたとき、真っ先に思い浮かぶのが看護師さんだからです。結果として、「医師+訪問看護」が先に立ち上がり、薬剤師は少し遅れて呼ばれるか、そもそも名前が上がらないまま、在宅が進んでいくこともあります。

これは、医師が悪いわけでも、看護師が出しゃばっているわけでもなく、「そういう流れができてしまっている」からです。ただ、この流れだけに任せてしまうと、薬の管理や飲み方の相談が後回しになり、気づいたときには薬が増えすぎていたり、飲み忘れ・飲み過ぎが積み重なっていたりすることがあります。

そこで、患者さんやご家族の側から「あとから薬剤師を足す」という発想が大事になってきます。すでに訪問看護が入っていても、「薬のことは、かかりつけの薬剤師さんにも一緒に見てもらいたいのですが」と医師や看護師に伝えることで、チームに薬剤師を加えるきっかけをつくることができます。標準の流れは変えにくくても、「あとから足す一言」で、在宅の安心度は大きく変わっていきます。