親の介護、初めての電話で詰まった8つの場面|相談窓口でそのまま言える一言

離れて住む70代後半の両親のことで、親の住む町の地域包括支援センター(横浜市では「地域ケアプラザ」)に、初めて電話をかけました。

介護の認定も、使える手助けも、言葉だけは聞いたことがありました。でも、受話器を持ったとたん、何を言えばいいのか分からなくなりました。10分ほどの電話で、私は何度も言葉に詰まりました。

この記事は、そのとき詰まった8つの場面を、そのまま並べたものです。場面ごとに「そのまま言える一言」と「電話のあとで分かったこと」を添えました。これから同じ電話をかける方の、最初の10分が少し楽になればと思います。

※ 患者と、患者の家族の立場で、公開されている資料を調べて書いています。窓口の名前や受付の時間、手続きの細かいところは市区町村で違います。実際の手続きは、親の住む市区町村の窓口でご確認ください。

先に結論:電話の最初は、この一言で足ります

「離れて住む親のことで、初めて電話しました。介護のことは、申請もまだ何もしていません。何から始めればいいですか?」

何もしていない段階で電話していい窓口です。相談は無料で、介護をする家族からの相談も受けています(厚生労働省「地域包括支援センターについて」)。

電話で詰まった8つの場面

場面1 何の窓口なのか、うまく言えなかった

電話がつながって最初に出た言葉は、「あの、地域包括……なんとかセンターですよね?」でした。自分がどこに電話しているのかも、何をしてくれる所なのかも分からないまま、「ここは何をしてくれる所ですか?」と聞き返してしまいました。

そのまま言える一言:「親の介護のことで、最初にどこに相談すればいいか分からずにお電話しました。こちらで聞いてもいいですか?」

分かったこと:地域包括支援センターは、介護保険法にもとづいて市町村が設置する相談の窓口で、すべての市町村にあります(全国に5,487か所・2025年(令和7年)4月時点)。運営を社会福祉法人などに任せている所が約8割で、横浜市では地域ケアプラザがこの役目を持っています。呼び名は地域で違いますが、「介護の相談の窓口」と言えば通じました。

場面2 「申請ですか、サービスですか」に答えられなかった

最初に聞かれたのは、「介護保険の申請をしたいのか、もう認定があってサービスを使いたいのか、どちらですか?」でした。私はどちらとも答えられませんでした。本当に、まだ何もしていなかったからです。

そのまま言える一言:「申請もサービスも、まだ何もしていません。ここから始められますか?」

分かったこと:介護保険のサービスは、市区町村に申請して認定を受けてから使います。「何もしていない」段階からでも、申請の手伝いから始めてもらえました。

場面3 役所に行くのか、ここでいいのか分からなかった

申請と聞いて、「それなら役所ですよね?」と言いかけました。仕事の休みを取って、役所の窓口に並ぶ姿を想像していました。

そのまま言える一言:「申請は、役所に行かないとできませんか?こちらで手伝ってもらえますか?」

分かったこと:申請先は市区町村(横浜市では区役所の高齢・障害支援課)ですが、地域包括支援センター(地域ケアプラザなど)に代わりに出してもらうこともできます(横浜市「要介護認定について」)。横浜市の地域ケアプラザは、土曜にも窓口で相談できます(場面7)。

場面4 嫌がる親を、連れて行くのか分からなかった

いちばん言いにくかったのは、母が介護の話そのものを嫌がっていることでした。「本人を連れて行かないといけませんか?」と聞くまでに、少し間が空きました。

そのまま言える一言:「親が介護の話を嫌がっています。最初は、家族だけで相談に行ってもいいですか?」

分かったこと:家族だけで相談でき、申請の手続きも家族が進められました(申請は本人または家族などができる・横浜市「要介護認定について」)。本人を説得してから電話する、という順番でなくてよかったのです。

場面5 先生の意見書は、家族が持っていくのだと思っていた

介護の認定には「主治医の意見書」が要る、とどこかで読んでいました。私はてっきり、家族が書類を持って先生のところへお願いに行くのだと思っていました。仕事を休む日がまた増える、と身構えていました。

そのまま言える一言:「主治医の意見書は、家族が先生のところへ持っていくのですか?」

分かったこと:意見書は、申請を受けた市区町村が主治医に頼みます。家族が書類を運ぶ必要はなく、意見書の作成料の自己負担もありません(厚生労働省「サービス利用までの流れ」)。家族が用意するのは、かかりつけの病院の名前と先生の名前です。

場面6 調査の人が来る理由を、親にどう言えばいいか分からなかった

申請のあと、調査の人が家に来て、親の様子を聞き取ると知りました。でも、介護という言葉を嫌がる母に、なぜ人が来るのかを、どう話せばいいのか分かりません。「それ、うまく言える自信がないです」と、正直に言ってしまいました。

そのまま言える一言:「親が『介護』という言葉を嫌がります。調査の人が来る理由を、ほかの家族はどう伝えていますか?」

分かったこと:窓口で聞くと、「介護の認定」とは言わずに受けてもらう家族も、そのまま話す家族もいて、家や本人の性格で違うとのことでした。かかりつけの先生から勧めてもらう、という形の家族が多いとも聞きました。親が先生を信頼しているなら、先に先生に相談しておく道もあります。調査は、市区町村の調査員などが家を訪ねて行います(厚生労働省「サービス利用までの流れ」)。

場面7 予約の日を決めるところで、曜日を勘違いした

最後に、相談に行く日を決めました。手元のカレンダーを見ずに「その日は◯曜日ですよね」と言ったら、曜日がずれていました。電話の向こうで確かめてもらって、ようやく気づきました。

そのまま言える一言:「念のため、日にちと曜日と時間を、もう一度言っていただけますか?」

分かったこと:担当の人は、訪問や別の相談で席を外していることがあるので、行く前に電話で予約するのが確実です。横浜市の地域ケアプラザの窓口相談は、2026年(令和8年)10月から月曜〜土曜(祝日を除く)の午前9時〜午後5時で、来る前に電話で連絡するよう案内されています(横浜市「地域ケアプラザ紹介」)。電話はカレンダーを開いてからかけると、曜日の取り違えを防げます。

場面8 介護保険証を、親が持っているのかも分からなかった

「当日は介護保険証をお持ちください」と言われて、また止まりました。親がそんな保険証を持っているのか、私は知りませんでした。

そのまま言える一言:「親の介護保険証が、家にあるかどうか分かりません。見つからなくても、相談や申請はできますか?」

分かったこと:介護保険証(介護保険被保険者証)は、65歳になった時点で交付されます。横浜市では、申請のときに原本を添えるよう求めつつ、紛失などで添えられない場合でも申請を受け付けています(横浜市「要介護認定について」)。なくした保険証は、市区町村の窓口で再交付を頼めます。

申請から結果までの流れ

  1. 申請(本人・家族。地域包括支援センターなどに代わりに出してもらうこともできる)
  2. 家での聞き取りの調査と、かかりつけの先生の意見書(意見書は市区町村が先生に頼む)
  3. 審査(コンピューターの判定と、専門家の介護認定審査会)
  4. 結果の通知(申請から原則30日以内)

出典:厚生労働省「サービス利用までの流れ」

電話の前に、手元に置いておくもの

  • □ 親の住所(番地まで。担当の窓口は、子ではなく親の住所で決まります)
  • □ 親の介護保険証(見つからなくても、電話はしてかまいません)
  • □ かかりつけの病院の名前と、先生の名前(親ごとに)
  • □ 自分が動ける日と時間(カレンダーを開いて、曜日も一緒に)
  • □ 最初に言う一言のメモ(「申請もサービスも、まだ何もしていません」)

今日できる、ひとつのこと

親の住む市区町村の名前で、担当の地域包括支援センターの電話番号を調べて、スマホの連絡先に入れておくだけで十分です。

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出典

※ 2026年(令和8年)10月26日に確認した内容です。横浜市の例は、ほかの市区町村では違うことがあります。

免責:この記事は筆者の体験と、公開されている資料をもとにした一般的な情報の整理です。個別の医療・介護・税のアドバイスではありません。手続きや受付の時間は、親の住む市区町村の介護保険の窓口や地域包括支援センターでご確認ください。