がんの診療で国が指定している病院は全国に468か所あり(厚生労働省「がん診療連携拠点病院等」、令和8年4月1日現在)、その全部に、治療費や暮らしの相談を受ける窓口を置くことが決まっています。
内訳は都道府県の中心になる病院51、地域の病院357(うち特例型11)、特定のがんの病院1、地域がん診療病院59。がん以外の病気でも、病院の相談室にいる福祉の専門職の仕事に「お金の心配への支援」が入っていることが、令和8年3月13日の厚生労働省の通知で示されています(2026年10月14日確認)。
かかっている病院のホームページで「相談室」「患者支援センター」「がん相談支援センター」のどれかを探し、その電話番号を1つメモしておく。
『医療ソーシャルワーカーに相談したいのですが、お願いできますか。』
受付、外来の看護師、入院中なら病棟の看護師に。費用の話だと先に言わなくても、つないでもらえます。
治療費のことを聞ける相手と、聞けること
| 相談先 | 使える人 | お金のことで聞けること | 決まりの出どころ |
|---|---|---|---|
| 病院の相談室の医療ソーシャルワーカー | 入院・外来・在宅医療の患者と家族(病気の種類を問わない) | 生活に困っている、またはこれから困りそうなときに使える行政サービスなどの紹介・案内。入院や退院で生じる暮らしとお金の課題、仕事や育児・介護との両立 | 医療ソーシャルワーカー業務指針 二(3)(4)(6)(令和8年3月13日) |
| がん相談支援センター(全国468か所の拠点病院等) | その病院の患者と家族のほか、その病院に通っていない人・地域の住民 | 療養生活全般(経済的な支援を含む)、仕事や学校との両立、セカンドオピニオンの情報 | がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針 Ⅱ4(1)(令和8年7月30日) |
| がんの拠点病院の緩和ケアチーム | チームが関わっている患者と家族 | チームに相談支援の担当(社会福祉士などが望ましいとされる)が1人以上いる | 同指針 Ⅱ1(2)②オ |
| がんの拠点病院の医師の説明の場 | 診断・治療方針を聞く患者と家族 | 希望すれば看護師などが同席。診断や治療方針が変わるときは、就労や経済状況などにも配慮するよう努めるとされる | 同指針 Ⅱ1(1)①イ・③イ |
厚生労働省の通知2本(令和8年3月13日・令和8年7月30日)と、拠点病院等の一覧ページ(令和8年4月1日現在の数)から作成。2026年10月14日確認。
相談室の人の仕事に、お金の心配が書かれている
医療ソーシャルワーカー(病院で、お金や暮らし、退院後の生活の相談に乗る福祉の専門職。多くは社会福祉士)の仕事の範囲は、厚生労働省の業務指針で決められています。この指針は平成14年から変わっていませんでしたが、令和8年3月13日に全部が書き直されました。
新しい指針では、業務の1つ(6)として「経済的課題の把握と解決に向けた支援」が挙げられています。困ってから受けるだけでなく、困りそうな段階から先回りして支援することも、仕事の進め方として書かれています。治療方法を自分の意思で選べるよう支えることも業務の1つ(受診・受療支援)で、治療の選択と費用を同じ席で話せる相手だということです。
呼び名は病院ごとに違い、「医療相談室」「地域連携室」「患者支援センター」などの部署にいることが多いです。
がんの場合:通っていない病院の相談センターにも聞ける
がん相談支援センター(国が指定するがん診療の拠点病院等に置かれている相談窓口)は、指針で、その病院に通っていない人からの相談にも応じることを明記するよう求められています。いまの病院に相談窓口が見当たらなくても、近くの拠点病院のセンターに電話で相談できるということです。
センターには専従・専任の相談員がそれぞれ1人以上いて、うち1人は社会福祉士が望ましいとされています。初診から治療が始まるまでの間に、患者と家族が一度はセンターを訪ねられるようにすることも、病院の決まりになりました。
聞く前に決めておくのは「どこが分からないか」1行
相談室では、制度の名前を知らなくても話は進みます。伝えるのは、迷っている治療の候補と、ひと月にいくらまでなら払えそうか、仕事を休むかどうか、の3つで足ります。
相談室がない病院や、がん以外の病気では、加入している健康保険(保険証に発行元として書いてあるところ)や市区町村の窓口が次の相談先になります。どの制度が使えるかの最終的な判断は、それぞれの窓口が行います。
関連ページ
この話をnoteで読む治療の選択で迷っているのに、費用のことは診察室で聞きにくいままです。誰に聞けますか? 第105問このページの出どころ
- 厚生労働省医政局長「医療ソーシャルワーカー業務指針の全部改正について」(医政発0313第4号・令和8年3月13日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001673455.pdf(2026年10月14日確認) - 厚生労働省健康・生活衛生局長「がん診療連携拠点病院等の整備について」(健生発0730第1号・令和8年7月30日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001730953.pdf(2026年10月14日確認) - 厚生労働省「がん診療連携拠点病院等」(令和8年4月1日現在の指定数)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html(2026年10月14日確認)
このページの作成日:2026年10月14日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。
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