病気の治療と仕事のあいだに入って調整を手伝う「両立支援コーディネーター」の研修を終えた人は、全国で累計34,396人います(労働者健康安全機構、2026年5月11日現在)。

都道府県ごとに人数は違い、東京都は6,213人、高知県は171人です。働く人の健康について相談を受ける公的な窓口は47都道府県すべてにあり、相談は原則無料です(2026年10月14日確認)。

今日できること(1分)

勤め先の就業規則や社内の案内ページで「両立支援」「病気休暇」「時間単位」の3語を検索し、出てきたページの名前を1行メモする。

窓口でそのまま言える一言

『治療を続けながら働くための配慮について、相談できますか。』

人事・総務の窓口か、会社の健康管理室(産業医や保健師がいるところ)で。病院側なら、主治医や相談支援センターに「仕事のことも相談したい」と先に伝えておくと話が早く進みます。

申し出てから働き方が決まるまでの5つの段階

段階動く人本人が用意するもの・決めること
1. 本人が申し出る本人→人事・上司・健康管理の窓口支援を求めること自体を伝える。会社の様式があれば受け取る
2. 仕事の中身を主治医に渡す本人→主治医職種・作業内容・勤務時間・通勤方法などを書いた「勤務情報」の紙
3. 主治医が意見を書く主治医→本人→会社通院の予定、仕事を続けられるか(可・条件付きで可・今は不可)、避けたほうがよい作業、通院時間の確保などの配慮
4. 産業医などが意見を述べる会社→産業医等産業医がいない職場では、主治医の意見を参考に会社が検討する
5. 働き方を決めて見直す会社と本人で話し合い期間ごとの勤務時間・作業・通院への配慮をまとめた計画(両立支援プラン)。治療の経過で書き直す

厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(令和4年3月改訂版)の「両立支援の進め方」と様式例から作成(2026年10月14日確認)。

このガイドラインの対象は、がん・脳卒中・心疾患・糖尿病・肝炎・難病など、くり返し治療が続く病気です。短い期間で治る病気は対象にしていません。正社員だけでなく、雇用の形にかかわらず全ての働く人が対象です。

話は本人の申し出から始まり、病名を広める決まりはない

治療の話は私的な病気にかかわるため、会社が動き出すきっかけは原則として本人からの申し出です。健康診断で分かった場合を除き、会社は本人の同意なしに病気の情報を集めてはならず、集めた情報を扱う人の範囲も絞ることになっています。

同僚に伝える場合も、配慮を実行するのに要る情報に限るのが基本です。たとえば「週1回、午後に通院で抜ける」は伝えても、病名まで伝える必要があるとは限りません。

主治医に書いてもらう意見書には、ガイドラインに様式例があります。「重いものを持たない」「残業を避ける」「通院時間を確保する」のように、仕事の中身に即した書き方になっていて、期間も書く欄があります。会社に独自の様式がなければ、この様式例を持っていく方法もあります。

会社の中にある働き方の選択肢

選択肢中身根拠
時間単位の年休有給休暇を1時間単位で取る。上限は1年で5日分まで労働基準法(労使協定が必要)
病気休暇(傷病休暇)年休とは別に、入院や通院のために休める休暇。賃金が出るかは会社ごとに違う会社が独自に設ける
時差出勤始業・終業の時刻をずらし、混む時間帯の通勤を避ける会社が独自に設ける
短時間勤務療養中・療養後に所定の勤務時間を短くする(育児・介護の短時間勤務とは別のもの)会社が独自に設ける
在宅勤務自宅で働き、通勤による体の負担を減らす会社が独自に設ける
試し出勤長く休んだあと、日数や時間を短くして出勤してみる会社が独自に設ける

同ガイドライン(令和4年3月改訂版)「休暇制度、勤務制度の整備」から。どれがあるかは勤め先の就業規則によります。

社内で言い出しにくいときの外の相談先

都道府県ごとの産業保健総合支援センター(通称さんぽセンター。働く人の健康について、会社や産業保健の担当者の相談を受ける公的な窓口)には、治療と仕事の両立の専門の相談員がいます。ガイドラインでは、働く人と会社のあいだの調整の支援も仕事の一つとして挙げられています。

両立支援コーディネーター(本人の同意を得て、治療と仕事の情報を整理し、必要な配慮を本人に示す人)は、病院の医療者、会社の人事や産業保健の担当者、支援機関の相談員などが務めています。かかっている病院にいるかどうかは、病院の相談窓口で聞けます。

がんの場合は、がん診療連携拠点病院の相談支援センターでも、仕事についての相談を受けています。

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この話をnoteで読む治療を続けながら働きたいのに、勤め先に言えば迷惑になる気がして言えません。 第115問

このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月14日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

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このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。