バイオの薬の有効成分は、アスピリン(分子量180)の百倍以上も大きいタンパク質で、化学反応ではなく、遺伝子を組み込んだ細胞を育てて作らせます(PMDA資料、2026年7月16日、2026年10月20日確認)。
ソマトロピンで22,125、抗体のリツキシマブで144,510。大きく複雑なので、同じ薬を別の会社が作ると「同じ」ではなく「同等」を確かめる形になり、後から出る薬(バイオ後続品)の値段は原則、元の薬の70%です(厚生労働省、平成31年2月の資料)。
診察で出た薬の名前を、メモかスマホに書き写します。薬局で「この薬は、作り方が飲み薬と違うのですか」と聞くための材料になります。
『先生、バイオの薬というのは、どうやって作られている薬ですか?』
診察室で、薬の名前を言われたあとに。時間がなければ、受け取る日に薬局で同じ一言を言います。
飲み薬のふつうの薬と、バイオの薬を数字で並べる
| 薬 | 分子量 | 作り方 |
|---|---|---|
| アスピリン(ふつうの飲み薬の例) | 180 | 化学合成が中心 |
| ソマトロピン(遺伝子組換え) | 22,125 | 遺伝子を入れた細胞を培養して作る |
| リツキシマブ(遺伝子組換え) | 144,510 | 遺伝子を入れた細胞を培養して作る |
PMDA「バイオ医薬品とバイオ後続品の基礎知識」(2026年7月16日)スライド11。分子量は資料に載っている3つの例です。
細胞に作らせる、おおまかな流れ
厚生労働省の資料(平成31年2月)では、薬になるタンパク質の遺伝子を運ぶ部品(発現ベクター)をつくり、それを入れた生産用の細胞を選んで増やし、細胞のもとを保管します。次に培養の規模を大きくして育て、目的のタンパク質だけを取り出す精製をして、有効成分を得ます。そこへ添加物を加え、無菌のろ過、充填、必要なら凍結乾燥をして、注射などの製剤になります。
生きた細胞を使うため、培養の条件がわずかに違うだけで、タンパク質の表面についた糖鎖などの形が変わることがあります。このため、できた薬の性質を幅広く調べることが大事だとされています。
後から出るバイオの薬(バイオ後続品)は、どう扱われるか
バイオシミラー(バイオ後続品)は、特許などの期間が切れたバイオ医薬品のあとに、別の会社が出す薬です。ジェネリックのように「有効成分が同じ」と確かめにくいため、品質の似かたを調べ、非臨床・臨床の試験で、元の薬と同じ効能・効果、用法・用量で使えることを確かめます(厚生労働省、医療関係者向け資料、平成31年2月)。
| 項目 | 内容 | 時点・出どころ |
|---|---|---|
| 薬の値段 | 元の薬の原則70%(PMDA資料では、0.7を乗じた額。内用薬で銘柄数が10を超える場合は0.6) | 厚生労働省 平成31年2月/PMDA 2026年7月 |
| 発売後の調査 | リスク管理計画に沿った安全性の見守りが求められ、製造販売後調査は原則行う | 厚生労働省 平成31年2月 |
| 国の目標 | 2029年度末までに、バイオ後続品が80%以上を占める成分が、全体の60%以上 | 取組方針 令和6年9月30日策定 |
| いまの様子 | 80%以上置き換わった成分は、18成分のうち4成分(22.2%) | 厚生労働省 令和8年1月16日の資料(2024年度) |
70%は薬の値段(薬価)の話で、窓口で払う額が必ず7割になるわけではありません。払う額は、加入している健康保険の自己負担割合や、ひと月の上限(高額療養費)でも変わります。
自分の薬が先に出た薬か後続品か、どの細胞で作られているかは、薬の名前を伝えれば薬局で聞けます。薬の切り替えは医師が決めることなので、ここでは判断を書きません。
関連ページ
この話をnoteで読む診察で「バイオの薬を使いましょう」と言われました。その薬は、どうやって作られているのですか? 第220問このページの出どころ
- PMDA「バイオ医薬品とバイオ後続品の基礎知識」(2026年7月16日、福井県薬剤師会研修会資料)
https://www.pmda.go.jp/files/000282003.pdf(2026年10月20日確認) - 厚生労働省「バイオ医薬品・バイオシミラーを正しく理解していただくために(患者・一般の方向け)」(平成31年2月)
https://www.mhlw.go.jp/content/001380078.pdf(2026年10月20日確認) - 厚生労働省「バイオ医薬品・バイオシミラーを正しく理解していただくために(医療関係者向け)」(平成31年2月)
https://www.mhlw.go.jp/content/001380077.pdf(2026年10月20日確認) - 厚生労働省「バイオシミラー使用促進に向けた政策動向」(令和8年1月16日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001653009.pdf(2026年10月20日確認)
このページの作成日:2026年10月20日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。
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