注射で使うことの多いバイオの薬は、特許が切れた後に出る同等の薬(バイオシミラー)なら、原則としてもとの薬の70%の値段になります(厚生労働省の一般向けリーフレット・令和7年2月版、2026年10月14日確認)。

窓口で払う額には月ごとの上限があり、70歳未満で月収の目安(標準報酬月額)が28万〜50万円の人は、2026年8月からの診療分で85,800円+(医療費の総額−286,000円)×1%です(協会けんぽ、2026年10月14日確認)。上限は年齢と所得で変わります。

今日できること(1分)

会計でもらった明細書から、注射の薬の名前をそのまま1行メモに書き写す。次に薬局へ行くとき、そのメモを見せて聞けば話が早く進みます。

窓口でそのまま言える一言

『この注射の薬で、ひと月の負担はいくらくらいになりますか。上限のことも含めて相談できる窓口はどこですか。』

会計の窓口か、薬を受け取る薬局で、支払いのあとに聞きます。診察室で聞きそびれても、ここで足ります。

ひと月に払う額の上限(年齢・所得別)

年齢と所得の目安ひと月の上限(2026年8月〜2027年7月の診療分)4か月目から(多い月が続くとき)1年間の上限
70歳未満・標準報酬月額83万円以上270,300円+(総額−901,000円)×1%140,100円168万円
70歳未満・53万〜79万円179,100円+(総額−597,000円)×1%93,000円111万円
70歳未満・28万〜50万円85,800円+(総額−286,000円)×1%44,400円53万円
70歳未満・26万円以下61,500円44,400円加入している健康保険で確認
70歳未満・住民税が非課税36,900円24,600円29万円
70歳以上・一般(26万円以下)の通院だけ個人ごと22,000円(通院だけの上限には無し)216,000円
70歳以上・一般の世帯(入院を含む)61,500円44,400円加入している健康保険で確認

協会けんぽ「高額療養費」の表(令和8年8月〜令和9年7月の区分)から抜き出し。総額=保険がきく医療費の10割。1年間の上限の申請は2027年8月から始まる予定と書かれています。国民健康保険・健康保険組合に入っている人は、加入している健康保険(保険証や資格確認書に発行元として書いてあるところ)の案内を見てください。

値段が高くなる理由と、7割の値段の薬がある理由

種類どう作るか値段の目安
今までの多くの薬(錠剤など)薬品を化学反応させて作るバイオの薬より低いことが多い
バイオ医薬品(もとの薬)細胞を育てて増やし、培養液から目的のタンパク質を取り出す高い(大きな設備と多くの試験が要る)
バイオシミラー(後から出る同等の薬)同じ考え方で別の会社が作り、効き目と安全性が同等であることを試験で確かめる原則、もとの薬の70%

厚生労働省医政局経済課のリーフレット(平成31年2月・令和7年2月)から作成。

バイオ医薬品(細胞や微生物の力を借りて作る、タンパク質が成分の薬)は、厚生労働省の説明では、遺伝子組換えや細胞培養の最先端の技術で開発され、化学合成の薬と比べて開発に膨大な費用がかかるため、一般に薬価(国が決める薬の公定価格)が高くなっています。タンパク質は形が複雑で、同じ工程でもまったく同じものを作り続けるのが難しく、品質を見る試験も多くなります。

バイオシミラー(バイオ後続品とも呼ばれ、特許が切れたバイオ医薬品と同等・同質であることを確かめて発売される薬)は、ジェネリック医薬品とは別の扱いです。構造にわずかな違いがあっても、効き目と安全性が同等であることを多くの試験で確かめています。国は2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分を全体の60%以上にする目標を置いています。

上限を超える月の例と、窓口で払う額を抑える方法

例として、70歳未満で標準報酬月額28万〜50万円の人が、ひと月に保険がきく医療費の総額50万円(3割で15万円)を払う月を考えます。上限は85,800円+(500,000円−286,000円)×1%=87,940円で、差の62,060円があとから戻る計算です。総額が35万円(3割で105,000円)の月なら上限は86,440円で、戻るのは18,560円です。上限に届く月は、薬の値段の差がそのまま窓口の差にならないことがあります。

  • 先に払う額を抑える:マイナ保険証を使える医療機関・薬局なら、限度額適用認定証(窓口の支払いを上限までにする証明書)の申請は要りません。住民税が非課税の人は、マイナ保険証でも申請が必要です。
  • 病院と薬局を合わせる:処方せんで薬局に払った額は、処方せんを出した医療機関の分と合わせて数えます。70歳未満は、1つの医療機関(入院・外来、医科・歯科は別)で21,000円以上の分だけを合わせられます。
  • 続く月は下がる:直近12か月で上限を超えた月が3回以上あると、4回目から上の表の金額に下がります。加入している健康保険が変わると、回数はつながりません。
  • 血友病など:血友病の人は、特定疾病療養受療証を受けると月の負担が10,000円になります(人工透析中の慢性腎不全なども同じ仕組み)。

同じ成分の別の薬かどうかと、切り替えの決め方

バイオ医薬品やバイオシミラーが使われる病気には、がん、糖尿病、関節リウマチ、乾癬、腎性貧血、血友病、潰瘍性大腸炎・クローン病、多発性硬化症、加齢黄斑変性、低身長などがあります。いま使っている薬がもとの薬か、バイオシミラーかは、名前を見ただけでは分かりにくいことがあります。明細書の薬の名前を薬剤師に見せて、どちらに当たるかを聞くのが早い方法です。

バイオシミラーにするかどうかは、厚生労働省のリーフレットでも選択肢の1つとして示されています。効き目や使い方の説明を医師・薬剤師から聞き、家族も一緒に、続けるか、切り替えるか、今は変えないかを相談して決めます。薬そのものの疑問は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のくすり相談窓口(平日9時〜17時)でも受け付けています。

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このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月14日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

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このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。