薬局が親の飲み具合をケアマネジャーに文書で伝えると、薬局は月1回まで20点を受け取れる決まりです。厚生労働省の令和8年度の調剤報酬点数表にある服薬情報等提供料(薬局が服薬の様子を医療機関やケアマネジャーに文書で伝えたときの料金)で、2026年10月18日に告示の原文で確かめました。

伝えるのは、薬剤師が必要と認めたときで、本人か家族の同意が前提です。自己負担は点数の1割から3割です。同じ月に薬剤師が家に来る介護保険のサービスを使っている人は、この20点の対象になりません。

今日できること(1分)

担当のケアマネジャーの事業所名と電話番号を、お薬手帳の裏表紙かスマホのメモに1行で書いておく。

窓口でそのまま言える一言

『母の飲み忘れが続いています。ケアマネさんに、薬局から伝えてもらえますか。』

薬を受け取るときに、薬局の窓口で1回だけ言えば足ります。

薬局から文書で伝える形と、薬剤師が家に来る形の違い

薬剤師が家を訪ね、薬の管理を教える介護保険のサービスは、居宅療養管理指導(通院が難しい人のところへ薬剤師が行く介護保険の仕組み)といいます。どちらもケアマネジャーに情報が届きますが、お金の出どころと条件が違います。

見るところ薬局から文書で伝える薬剤師が家に来る
どちらの保険か医療保険(調剤報酬点数表)介護保険
きっかけ薬剤師が必要と認め、本人か家族が同意医師の指示。通院が困難な人が対象
ケアマネジャーへの伝え方文書で提供居宅サービス計画づくりに必要な情報の提供
料金の数字20点現行の単位数は一次情報で確かめられず、載せていません
回数の上限月1回まで月4回が限度(令和5年7月の資料の時点)

左の列は令和8年度の調剤報酬点数表(区分15の5)、右の列は社会保障審議会 介護給付費分科会 第220回資料(令和5年7月24日)にもとづきます。右の列は資料の年度が古いため、いまの上限は薬局かケアマネジャーに聞いてください。

こんなときは伝えてもらえる、もらえない

点数表の注2は「薬剤師がその必要性を認めた場合」に「患者の同意を得た上で」文書を出すと定めています。そのうえで、同じ月にほかの形を使っているかどうかで扱いが分かれます。

いまの状況薬局からの文書(20点)理由
飲み忘れが続き、家族が同意した月1回まで算定できる注2の条件(必要性の認定と同意)に合う
本人にも家族にも話しておらず、同意がない条件を満たさない注2は同意を得た上で、と書いている
同じ月に薬剤師の訪問(介護保険)を使っている算定できない厚生労働省告示第119号(令和8年3月27日)が、同じ月に居宅療養管理指導の費用を算定した場合は算定できないとしている
医療保険の薬剤師の訪問(在宅患者訪問薬剤管理指導)を受けている算定しない注6が、その料金を算定している患者を除いている
同じ月に2回伝えた月1回の算定注2は月1回に限る、としている

出典は下の一覧のとおりです(2026年10月18日確認)。薬局の種類によっては算定できない場合もあります(注4・注5)。

料金のことと、家族が先にできること

20点は薬局側の報酬で、窓口での負担は点数の1割から3割です。伝えてもらえるかどうかは、薬局が薬の残り方や飲む時間のずれから、ケアマネジャーに知らせる必要があるかを判断して決まります。

家族からケアマネジャーに話す道も残ります。薬局に頼むのは、家族が言い直さなくても薬剤師の見立てがそのまま届くようにするためで、どちらか一方を選ぶ話ではありません。

関連ページ

この話をnoteで読むケアマネさんに、母の飲み忘れのことを薬局から伝えてもらえますか? 第204問

このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月18日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

ご利用にあたって(免責事項)

このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。

あわせて:家族が遠くにいるとき、薬局にどこまで頼っていいのか

以前の連載記事(2025年12月)から、このページにない部分を移しました。

親が一人暮らしをしていて、自分は遠くに住んでいる。電話では「大丈夫」と言うけれど、本当に薬をきちんと飲めているのか、体調はどうなのか、心配になることはないでしょうか。

顔を合わせる機会が限られる中で、「もう少し近くで見守ってくれる人がいたら」と感じる場面は、少しずつ増えていきます。

そんなとき、地域の薬局は「薬を渡すだけの場所」ではなく、「ゆるやかな見守り役」としても頼ることができます。

薬剤師さんは定期的に本人と顔を合わせ、処方内容の変化や体調のちょっとした変化に気づきやすい立場にいます。

たとえば、次のようなお願いや相談が考えられます。

  • 「離れて暮らしている子どもですが、親の薬の飲み方が心配です。こちらから何か情報をお伝えしたほうがよいですか?」
  • 「通院や薬の受け取りが難しくなってきたとき、利用できるサービスや在宅訪問について教えてもらえますか?」

重要なのは、「全部を薬局に丸投げする」のではなく、「家族では気づきにくい日常のサインを教えてもらう」というスタンスです。

たとえば、「最近、飲み忘れが増えている印象がある」「以前より足取りが不安定に見える」など、小さな変化を知るだけでも、その後の受診やサポートを考えるきっかけになります。

もちろん、本人のプライバシーとのバランスも大切です。

可能であれば、親御さんが薬局にいるタイミングで電話をつなぎ、「今後のことを一緒に相談したい」と3者で話す場を作るのも一つの方法です。

「何かあったら連絡してください」と一方的にお願いするのではなく、「こういうことが心配なので、気づいたことがあれば教えてもらえますか」と、具体的な心配ごとを共有しておくと、お互いに動きやすくなります。

離れて暮らす家族にとって、薬局は「何かあったときの緊急連絡先」ではなく、「日常の小さな変化を一緒に見てくれるパートナー」に近い存在になりえます。