75歳以上の約4割が5種類以上、約1/4が7種類以上の薬を処方されています(厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」2018年5月、平成28年社会医療診療行為別統計から。2026年10月10日確認)。

薬の種類が増えるほど、薬による好ましくない出来事(薬物有害事象)は増える傾向があり、6種類以上で特に増えたというデータが指針に載っています。ただし指針は「数合わせで減らすべきではない」とも書いており、数だけで良し悪しは決まりません。

今日できること(1分)

家族が飲んでいる薬を紙に書き出して、種類の数を数える(お薬手帳を見れば足ります)。数を知っておくだけで、次の診察での話が具体的になります。

窓口でそのまま言える一言

『先生、あと1つだけ。この薬、やめどきはいつですか。』

診察の終わりか、薬局で薬を受け取るときに、1回だけ。やめたいと伝えるのではなく、見通しを聞く形です。

薬の数で見る、指針の数字

何の数字か数字指針での位置づけ
5種類以上を処方されている割合65〜74歳の約3割、75歳以上の約4割各論編(療養環境別)の「はじめに」に記載
7種類以上を処方されている割合75歳以上の約1/4総論編。平成28年社会医療診療行為別統計が出典
薬物有害事象と薬剤数薬剤数にほぼ比例して増え、6種類以上で特に増加総論編の図1。総合病院老年病科の入院患者2,412名のデータ(日本老年医学会のガイドラインから改変引用)
入院中の見直しの例医療療養病床に1か月以上入院して退院した患者では、入院時5.5種類から退院時4.6種類各論編の参考文献の要約として記載

厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針」総論編(2018年5月)・各論編(療養環境別・2019年6月)から作成。2026年10月10日確認。数字は指針に載っている調査の結果で、ご家族ひとりひとりに当てはまるかどうかを示すものではありません。

数が多いことと、害になることは別

指針は、多い薬の数のうち害をなすものを、ポリファーマシー(薬が多いことで、副作用や飲み間違い、飲み忘れなどの問題につながっている状態)と呼んでいます。薬が多いだけでは、そう呼びません。何種類からという決まった線も、指針にはありません。

見直しの考え方も、指針に書かれています。薬による有害事象が出たときなどにポリファーマシーが確かめられたら、減らすことや中止が検討されます。一方で、機械的に減らすとかえって病気が悪くなるという報告もあるため、やめるときは慎重に、病状の悪化や有害事象のリスクも見ながら進めるとされています。

自己判断でやめない、聞いてよい

指針は医療者向けの文書ですが、家族が目にした場合についても書かれています。薬の服用について自己判断せずに、気になる点は医療関係者に相談してほしい、という趣旨です。各論編は、自己判断で減らしたりやめたりする危険についての注意喚起も求めています。

指針は、飲み忘れや飲み残しが出る原因のひとつとして、自己判断で薬をやめてしまうこと(飲んだあとの体調の変化や有害事象がきっかけになる)を挙げています。やめたくなったときも、まず医師か薬剤師に伝えるのが道筋です。伝えるときは、日中の様子、眠れているか、食べられているかなど、診察室では見えない情報が役に立ちます。

関連ページ

この話をnoteで読む「この薬、やめどきはいつですか?」 第56問

このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月10日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

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このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。