家族の窓口負担を足して1か月の上限と比べられるのは、同じ健康保険に入っている人どうしだけです。69歳以下の人の分は、1か所・1か月で21,000円以上の支払いだけが足し算に入ります(厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」、2026年10月14日確認)。

70歳以上の人の分は、金額の大小を問わず足せます。会社の健康保険の本人と、同居している80歳の親(75歳以上の人の保険に加入)は、住所が同じでも足せません。逆に、扶養に入っている家族なら住所が別でも足せます。

今日できること(1分)

家族それぞれの保険証・資格確認書(またはマイナポータル)で、発行元の名前を1人1行ずつメモに書く。名前が同じ人どうしが、足し算の相手です。

窓口でそのまま言える一言

『同じ保険の家族の分を合わせて、今月の上限を超えているか見てもらえますか。』

加入している健康保険(保険証に発行元として書いてあるところ)の電話窓口で、家族全員の今月の領収書を手元に置いて言います。

家族の分を足せるか:組み合わせ別

家族の組み合わせ足せるか決め手
会社の健康保険の本人と、その扶養に入っている家族足せる同じ健康保険。住所が別々でもよい
共働きで、夫と妻がそれぞれ自分の勤め先の健康保険足せない保険が別。同じ住所でも別々に計算
会社の健康保険の45歳と、同居する80歳の親(75歳以上の人の保険)足せない保険が別。親の分は親の保険の中で計算
同じ世帯の75歳以上の2人(どちらも75歳以上の人の保険)足せる同じ保険の中どうし

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」のよくあるご質問Q9と世帯合算の例から(2026年10月14日確認)。

ここでいう高額療養費(1か月の窓口負担が上限額を超えたとき、超えた分が戻る仕組み)の世帯合算(同じ健康保険の家族の支払いを足して上限と比べること)の世帯は、住民票の世帯とは範囲が違います。厚生労働省の資料も、医療保険の世帯は一般のイメージの世帯とは異なると書いています。75歳以上の人が入る後期高齢者医療制度(75歳以上の人の医療保険)に親が加入していると、子の会社の健康保険とは別の箱になり、それぞれの箱の中で足し算が行われます。

足し算に入る1か月の支払い:年齢別

受診した人の年齢足し算に入る支払い数える単位
69歳以下1件21,000円以上のものだけ医療機関ごと・1か月ごとの請求書(レセプト)1枚。医科と歯科、入院と外来は別の1枚
70歳以上金額にかかわらず全部同じ月の別の病院・薬局の分も足せる
全年齢共通で入らないもの入院中の食費・居住費、差額ベッド代、先進医療の費用など保険が使われた診療の自己負担だけが対象

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」の世帯合算の説明とQ2から(2026年10月14日確認)。資料では、1つの医療機関等の自己負担に院外処方の薬代も含むとされています。

足した合計と比べる上限は、令和8年8月から次のとおりです(70歳未満・月単位)。

所得区分(年収の目安)1か月の上限(世帯)4回目から年間の上限
約1,160万円〜270,300円+(医療費−901,000円)×1%140,100円1,680,000円
約770万〜約1,160万円179,100円+(医療費−597,000円)×1%93,000円1,110,000円
約370万〜約770万円85,800円+(医療費−286,000円)×1%44,400円530,000円
〜約370万円61,500円44,400円530,000円
住民税非課税36,900円24,600円290,000円

厚生労働省「高額療養費制度に関する参考資料」の表(令和8年8月〜令和9年7月)から(2026年10月14日確認)。70歳以上の一般区分は、外来が個人ごとに22,000円(年間216,000円)、世帯で61,500円。年間の上限は8月から翌年7月までの1年で数えます。

計算の例と、70歳以上の家族がいるときの順番

計算の例(69歳以下の2人・約370万〜約770万円の区分):本人の入院で60,000円(医療費20万円)、扶養に入っている子の外来で30,000円(医療費10万円)、本人の別の通院で15,000円。15,000円は21,000円に届かないので外れ、足すのは90,000円です。上限は85,800円+(30万円−286,000円)×1%=85,940円で、差の4,060円が戻る計算になります。1人ずつ見ると、どちらも上限に届いていません。

同じ健康保険に69歳以下と70歳以上の家族がいるときは、3段階で計算します。①70歳以上の人の外来を1人ずつ足し、外来の上限を当てる。②70歳以上の人の入院分と①の残りを足し、70歳以上の世帯の上限を当てる。③69歳以下の人の分(21,000円以上のもの)と②の残りを足し、世帯全体の上限を当てる。

払い戻しの申請は、診療を受けた月の翌月1日から2年で時効になります。健康保険組合によっては、独自の付加給付で上限がさらに低いところもあります。親の分は親が入っている後期高齢者医療広域連合(75歳以上の人の保険の運営元)、子の分は子の健康保険と、聞く先が2つになります。

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このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月14日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

ご利用にあたって(免責事項)

このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。計算の例は仕組みを示すためのもので、実際の支給額は加入している健康保険が決めます。