親が療養などの都合で別居していても、仕送りなどで生計が一になっていれば、払った医療費は自分の医療費控除(払った医療費の一部を、確定申告で税金の計算から引ける仕組み)に入れられます。引く基準は10万円(総所得金額等が200万円未満なら5%)、控除額の上限は200万円です(国税庁タックスアンサー No.1120、2026年10月12日確認)。

分かれ目は同居かどうかではなく、実際の暮らしのお金のつながりです。国税庁の通達は、療養などの都合で別居していても、生活費や療養費の送金が常に行われていれば生計を一にするものとして扱っています。

今日できること(1分)

親あてに送ったお金の振込明細(通帳の該当ページ)を、親名義の領収書と同じ封筒に入れておきます。

窓口でそのまま言える一言

『別居している親の医療費を私が払っています。自分の控除に入れられますか。』

税務署の窓口か電話で、最初にこの一言を伝えます。

別居の親は、どんなときに同じ財布とみなされるか

税の言葉の「生計を一にする」(財布が同じ、つまり生活費を互いにやりくりしている関係)は、同じ家に住んでいることとは別に決まります。国税庁の所得税基本通達2-47は、条件別に次のように示しています。

親との状況通達での扱い自分の医療費控除
同じ家に住んでいる明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、生計を一にするものとされる払った医療費を入れられる
別居だが、療養などの都合で離れ、生活費や療養費の送金が常に行われている生計を一にするものとされる払った医療費を入れられる
別居だが、休みのたびに親のもとで寝泊まりするのが常である生計を一にするものとされる払った医療費を入れられる
別居で、上の例のどちらにも当たらない例には載っておらず、実際の状況で見る税務署に確かめる

出典:国税庁 所得税基本通達2-47(2026年10月12日確認)、国税庁 タックスアンサー No.1120。上の2行目は通達にある勤務・修学・療養などの都合による別居のうち、療養の場合を取り上げています。

引ける額の計算と、親のぶんで気をつけること

項目内容出どころ
控除額(支払った医療費の合計 − 保険金などで戻る額)− 10万円No.1120
所得が低い人総所得金額等が200万円未満なら、10万円ではなく総所得金額等の5%No.1120
上限200万円No.1120
親の高額療養費など戻ってきた額は、その医療費から差し引く。引ききれない分を、ほかの医療費から引くことはしないNo.1120
通院の交通費電車・バスなどは対象。タクシーは公共交通機関が使えない場合を除き対象外。自家用車のガソリン代・駐車場代は対象外No.1122
家族への付き添い料対象外No.1122

出典:国税庁 タックスアンサー No.1120、No.1122(2026年10月12日確認)。対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です。

親のために買った市販薬があるとき

治療のために買った市販薬は、通常の医療費控除の対象になります。たとえば風邪をひいたときの風邪薬の購入代金が、国税庁の例に挙がっています。ビタミン剤のように予防や健康増進が目的のものは対象外です。

もう1つ、市販薬には別枠のセルフメディケーション税制があります。同じ年は、通常の医療費控除かセルフメディケーション税制のどちらか一方しか選べません。親のぶんを含めて、どちらが自分に合うかは、金額が出そろってから決めます。

扶養に入れていなくても、同じ話になるのか

医療費控除の条件に書かれているのは、自分または生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費という点です。親を扶養に入れているかどうかは、この条件の文言には出てきません。ただし、実際に当てはまるかどうかはその年の状況で決まるため、個別の判断はここではできません。

関連ページ

この話をnoteで読む離れて暮らす親の医療費を出しているのに、自分の控除に入れてよいのかが分かりません。 第95問

このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月12日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

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このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。