75歳以上で、住民税が課税されていて年収約370万円までの世帯なら、病院・薬局と介護サービスで払った自己負担の合計は、1年で56万円が基準額です。これを超えた分は、申請すると戻ります(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の負担上限額の表、2026年10月9日確認)。

ここでいう1年は、毎年8月1日から翌年7月31日まで。基準額は年齢と所得で19万円から212万円まで分かれ、70歳未満の同じ所得の層では60万円です。基準額を超えた額が500円以下のときは支給されません。

今日できること(1分)

親の保険証(または資格確認書)を手に取り、発行元として書かれている名前と電話番号を1行メモしておく。申し出る先は、そこです。

窓口でそのまま言える一言

『医療と介護の自己負担を1年分合わせて払い戻しを受ける手続きは、こちらでできますか』

親の保険証の発行元(後期高齢者医療広域連合、市区町村の国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合など)の窓口か電話で、このまま言えます。

年齢と所得で変わる、1年の基準額

所得の目安(世帯)75歳以上70〜74歳70歳未満
年収約1,160万円〜212万円212万円212万円
年収約770万〜約1,160万円141万円141万円141万円
年収約370万〜約770万円67万円67万円67万円
〜年収約370万円56万円56万円60万円
住民税非課税の世帯など31万円31万円34万円
住民税非課税で、所得が一定以下19万円(介護を使う人が世帯に複数なら31万円)19万円この区分なし

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料(高額医療・高額介護合算制度の負担上限額・世帯単位)と、協会けんぽ「高額介護合算」の基準額の表から。2026年10月9日確認。75歳以上は後期高齢者医療+介護保険、74歳までは会社の健康保険または国民健康保険+介護保険の組み合わせです。

足し算に入るもの・入らないもの

この仕組みの正式な名前は、高額医療・高額介護合算療養費制度(病院・薬局の自己負担と介護サービスの自己負担を1年分足して、基準額を超えた分を戻す仕組み)です。介護保険の側では、同じものを高額医療合算介護(予防)サービス費と呼んでいます。

足せるのは、同じ世帯の中で、同じ医療保険に入っている人どうしの分です。たとえば父が後期高齢者医療、母が会社員の子の健康保険の扶養に入っているなら、2人の分は一緒に足せません。

月ごとの上限(医療の高額療養費、介護の高額介護サービス費)でもう戻ってくる分は、先に差し引きます。そのうえで残った自己負担を12か月分積み上げます。入院中の食事代や差額ベッド代は入りません。

70歳未満の人の医療の分は、病院ごと・医科と歯科ごと・入院と外来ごとに、1か月21,000円以上になったものだけが足し算に入ります。医療と介護のどちらかの自己負担が0円の年は、支給の対象になりません。

同じ世帯に70〜74歳の人と70歳未満の人がいるときは、2段階で計算します。まず70〜74歳の人の分に表の70〜74歳の基準額を当て、そこで残った額と70歳未満の人の分を足して、70歳未満の基準額を当てます。2つの支給額を合わせたものが戻る額です。

2026年8月にできた、医療だけの年間上限との違い

2026年8月から、医療の高額療養費にも年単位の上限(年間上限)ができました。たとえば70歳未満で年収約370万〜約770万円なら、医療だけで1年53万円です。数える1年は同じく8月から翌年7月までです。

こちらは医療の自己負担だけを数えるもので、介護サービスの自己負担は入りません。医療と介護の両方を払っている世帯は、医療だけの年間上限と、上の表の合算の基準額の両方が関係します。

どこに申し出るか

申し出る先は、介護の窓口ではなく、加入している健康保険(保険証に発行元として書いてあるところ)です。75歳以上なら後期高齢者医療広域連合、国民健康保険なら市区町村、会社の保険なら協会けんぽや健康保険組合になります。

協会けんぽの場合は「高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」という1枚の用紙で、加入している都道府県支部に出します。医療保険と介護保険のあいだでは、マイナンバーの情報連携で自己負担額をやりとりし、戻る額は医療と介護それぞれの負担の比率で分けて支給されます。

基準額や申請の用紙は、加入している健康保険ごとに案内が出ています。親の保険証の発行元で、手続きの方法を確認してください。

関連ページ

この話をnoteで読む医療と介護の両方かかっている年は、お金の負担は軽くなるのですか? 第35問

このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月9日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

ご利用にあたって(免責事項)

このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。