紹介状を持たずに大学病院などの大きい病院を初めて受診すると、保険の自己負担とは別に、医科で7,000円以上(歯科は5,000円以上)の特別の料金が上乗せされます(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」資料。令和8年6月1日からの今回の改定で額は変わっていません)。

2回目以降も、病院からほかの医院へ移るよう申し出があったのに通い続けると、医科3,000円以上・歯科1,900円以上。実際に病院が届け出ている初診の額は、医科で届け出た1,132病院のうち851病院が6,601〜7,700円の幅にあります(中医協資料、令和7年8月1日現在)。救急で受診したときなどは求められません。

今日できること(1分)

行く予定の病院のホームページで「紹介状をお持ちでない方へ」や「初診時の特別料金」の案内を開き、初診のときに上乗せされる額を1つメモする。

窓口でそのまま言える一言

『紹介状なしだと特別の料金がかかりますか。紹介状は今からでも間に合いますか。』

受診の前に、行く先の病院の代表電話か、いつもの医院の受付で言えます。

病院の種類ごとの上乗せ額

病院の種類初診(紹介状なし)再診(ほかの医院への紹介を申し出られたのに受診)
特定機能病院(大学病院など、高度な医療を担う病院)医科7,000円以上/歯科5,000円以上医科3,000円以上/歯科1,900円以上
地域医療支援病院(救急や紹介患者を受け、地域の医院を支える病院)のうち一般病床200床以上医科7,000円以上/歯科5,000円以上医科3,000円以上/歯科1,900円以上
紹介受診重点医療機関(紹介患者の外来を基本とすると都道府県が公表した病院)のうち一般病床200床以上医科7,000円以上/歯科5,000円以上医科3,000円以上/歯科1,900円以上
上の3つ以外で、一般病床200床以上の病院病院が決めた額を求めることができる(求めない病院もある)病院が決めた額を求めることができる
一般病床200床未満の病院・診療所この上乗せはないこの上乗せはない

上の3行の医科の額と対象病院は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 外来医療の機能分化・強化等」(今改定では変更なし)。歯科の額は厚生労働省の案内(令和4年10月1日からの額)。この額には消費税分が含まれ、病院はこの額以上を求めます。特定機能病院は令和8年4月24日現在で88病院です。

この上乗せ分は、制度の上では選定療養(保険の診療とは別に、患者が自分で選んだものとして追加で払う料金)の1つです。3割などの自己負担に足されるもので、保険が使えなくなるわけではありません。大学病院などに外来の患者が集まり、待ち時間や勤務医の負担が大きくなっているため、最初は地域の医院にかかり、必要なら紹介を受けて大きい病院へ、という順番をとってもらう目的で国が定めています。

病院が実際に届け出ている初診の額

一般病床200床以上の病院は、紹介状なしの初診で求める額を地方厚生局に届け出ています。届け出の額を幅ごとに数えると、次のとおりです。

初診で求める額医科(病院数)歯科(病院数)
4,950円まで206100
4,951〜5,500円13351
5,501〜6,600円11
6,601〜7,700円851221
7,701円以上6138
合計1,132711

中医協 総会(令和8年7月22日)資料 総-4-2「主な選定療養に係る報告状況」の「病床数が200以上の病院において受けた初診」金額階級別医療機関数(令和7年8月1日現在)を、5つの幅にまとめ直したもの。医科と歯科で別に額を決めている病院は、それぞれ1施設として数えています。

医科は4分の3(1,132のうち851)の病院が6,601〜7,700円の幅に集まっています。7,000円に消費税分を足すと7,700円になるため、病院の案内では7,700円と書かれていることが多くなります。一方で4,950円までの病院も206あり、病院ごとに額の決め方は違います。同じ「大きい病院」でも、550円までの病院から7,701円以上の病院まで、行く先によって額に開きがあります。

再診の上乗せは、同じ資料で医科991病院が届け出ており、そのうち853病院が2,751〜3,300円の幅です(令和7年8月1日現在)。

上乗せを求められない場合

救急で運ばれた人など、病院が上乗せを求めてはならない人と、病院の判断で求めなくてもよい人が決められています。厚生労働省の案内(令和4年10月1日からの見直しのとき)では、次のように分けています。

区分主な例
求めてはならない(初診・再診とも)救急の患者/国の公費負担医療制度の受給対象者/特定の障害や病気に着目した地方単独の公費負担医療の受給者/無料低額診療事業を行う病院でその対象になる人/エイズ拠点病院を受診するHIV感染者
求めなくてもよい(初診)同じ病院のほかの科や医科・歯科の間で紹介された人/特定健診やがん検診の結果で精密検査を指示された人/休日夜間の救急医療事業などで受診した人/外来からそのまま入院した人/地域にほかにその科がない場合/治験に協力している人/災害で被害を受けた人/労災・公務災害・交通事故・自費診療の人 など
求めなくてもよい(再診)休日夜間の救急医療事業などで受診した人/外来からそのまま入院した人/災害で被害を受けた人/労災・公務災害・交通事故・自費診療の人 など

「求めなくてもよい」のほうは病院ごとの判断です。急がない時間外の受診や、ただ予約しただけの受診など、自分の都合で受診する場合は除くとされています。

健診の結果票で精密検査を勧められた場合は、その結果票を持っていくと扱いが変わることがあります。自分がどれにあたるかは病院が決めるので、受付で結果票や受給者証を先に出すのが早道です。

紹介状を先にもらうと変わること

紹介状(診療情報提供書)は、いまかかっている医院の医師が、これまでの検査結果や飲んでいる薬をまとめて行く先の病院へ渡す書類です。これを持って行けば、上の表の初診の上乗せの対象から外れ、行った先で同じ検査を一からやり直す手間も減ります。

いつもの医院がない場合は、近くの200床未満の病院か診療所にまずかかり、そこで大きい病院が必要かどうかを相談する順番もとれます。症状が急なときは救急の扱いになり、上の表のとおり上乗せは求められません。迷うときは、電話で状況を伝えてから向かうと案内がもらえます。

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このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月9日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

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