差額ベッド代(個室などを選んだときに、保険とは別に払う部屋代)がかかる病床は全国に287,598床。病床全体の23.0%で、1人室の1日あたりの平均は8,710円です(中医協「主な選定療養に係る報告状況」令和7年8月1日現在)。

2人室は平均3,161円、3人室は2,815円、4人室は2,894円。いちばん安い部屋は1日50円、いちばん高い部屋は1日385,000円です。一方で厚生労働省の通知(令和8年6月1日から適用)は、同意書がないとき・治療のために必要なとき・病棟の都合で入ったとき(ほかの部屋が満床だったときを含む)の3つは、この部屋代を求めてはならないとしています。

今日できること(1分)

入院する病院のホームページで「室料」か「特別療養環境室」の料金表を開き、1日いくらの部屋が何床あるかをメモしておく。病院は部屋ごとのベッド数・場所・料金を院内に掲示し、原則としてホームページにも載せることになっています。

窓口でそのまま言える一言

『この部屋は、こちらの希望で入る扱いですか。治療や空きの都合なら、室料はかかりますか?』

入院の手続きで部屋の用紙を渡されたとき、署名の前に、手続きの担当の人に言えます。

部屋の人数ごとの、1日の平均額

部屋病床数病床全体に占める割合1日あたりの平均(推計)
1人室202,576床16.2%8,710円
2人室38,786床3.1%3,161円
3人室3,627床0.3%2,815円
4人室42,609床3.4%2,894円
合計287,598床23.0%7,026円

中医協 総会(令和8年7月22日)資料 総-4-2「主な選定療養に係る報告状況」の令和7年8月1日現在の値。報告した医療機関の総病床数は1,252,229床。前の年(令和6年8月1日現在)は合計264,707床・平均6,862円、1人室は平均8,625円でした。

平均は、病院が地方厚生局に届けた金額から国が推計したものです。同じ1人室でも病院や部屋によって額は大きく違うため、1人室の料金を金額の幅ごとに並べると次のようになります。

1人室の1日の額病床数1人室全体に占める割合
2,200円まで19,810床9.8%
2,201〜5,500円69,604床34.4%
5,501〜11,000円71,985床35.5%
11,001〜33,000円38,092床18.8%
33,001円以上3,085床1.5%

同じ資料の「1日当たり徴収額 金額階級別病床数」(令和7年8月1日現在)の1人室の行を、5つの幅にまとめ直したもの。割合はこのページで計算(小数第2位を四捨五入)。

部屋代を求めてはいけない3つの場合

この部屋代は、制度の上では特別の療養環境室(差額ベッド)の料金と呼ばれ、患者が自分で選び、同意したときにだけ払うものです。厚生労働省の通知(令和8年3月27日 保医発0327第6号)は、求めてはならない場合として次の3つを挙げています。

場合通知にある例窓口で聞けること
①同意書で確かめていない同意書に室料が書かれていない、患者側の署名がないなど、中身が足りない同意書も含む1日の室料はこの紙のどこに書いてありますか
②本人の治療のために必要救急・手術のあとで安静や常に見守りが要る人、免疫が落ちて感染のおそれがある人、集中治療や、強い苦痛をやわらげる必要がある終末期の人などこの部屋は治療の都合で決まったものですか
③病棟の都合で、実質的に本人が選んでいないMRSAなどの感染で、ほかの患者への感染を防ぐために主治医が入れた人。ほかの部屋が満床で、この部屋に入った人ほかの部屋に空きがないからこの部屋なのですか

③にあたるかどうかは、患者や病院から事情を聞いたうえで判断するとされています。

②や③の理由がなくなったあと(たとえば容体が落ち着いた、大部屋が空いた)は、本人の意に反して特別の部屋に入り続けることがないよう、あらためて同意書で意思を確かめるなどの配慮を求めています。部屋を移るかどうか、そのまま残って料金を払うかを、そこで選び直せます。

同意書に書いてあるべきこと

通知は、病院に次の3つを求めています。受付や待合室など見やすい場所に、特別の部屋ごとのベッド数・場所・料金を掲示すること(原則ホームページにも掲載)。部屋の設備と料金を、はっきり丁寧に説明すること。料金などを書いた文書に患者側の署名を受け、その文書を病院が保存すること。

こうした部屋を置けるのは、1部屋4床以下・1人あたり6.4平方メートル以上・ベッドごとにプライバシーを守る設備がある部屋です。数にも上限があり、原則として病院の病床の5割までです。国が開設する病院は2割以下、都道府県や市町村が開設する病院は3割以下とされています(特定機能病院を除く)。

払ったあと、戻ってくるお金か

ひと月の医療費が上限を超えたら超えた分が戻る仕組み(高額療養費)でも、この部屋代は計算に入りません。協会けんぽは、保険外併用療養費の差額部分(保険の外で上乗せして払う部分)や入院中の食事代の自己負担は対象にならないと書いています。1人室の平均8,710円で10日入院すると、部屋代だけで8万7,100円になり、この額は上限の計算とは別にそのまま残ります。

だから、署名するかどうかを決めるのは、理由と1日の額を聞いてからで間に合います。分からないところがあれば、入院先の窓口で確認してください。

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このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月9日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

ご利用にあたって(免責事項)

このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。ある入院の部屋代が求めてはならない場合にあたるかどうかは、このページでは判断できません。