溶連菌が見つかった咽頭炎では、抗菌薬(抗生物質など、細菌に効く薬)のアモキシシリンを10日間飲むことが、厚生労働省の「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版・医科外来編」で推奨されています(2026年10月19日確認)。
手引きは、適切に処方された抗菌薬は症状が改善しても「医師の指示通り最後まで服用すべき」とします。一方で、かぜには抗菌薬を使わないよう推奨し、軽症の鼻副鼻腔炎(成人)は5日間の経過観察とするなど、病気で使う場面も日数も違います。
家に飲みかけの抗菌薬があれば、袋の日数と残りの数を見て、いつまで飲む予定だったかを1行メモします。自分で飲むためではなく、薬局で相談するための材料です。
『症状が消えても最後まで飲む薬か、教えてください。余ったらどうしますか?』
薬局で薬を受け取るとき、薬剤師に1回だけ聞きます。
病気ごとに、手引きが示す抗菌薬の使い方と日数
| 病気 | 手引きの推奨 | 日数 |
|---|---|---|
| かぜ(感冒) | 抗菌薬を使わない | - |
| 軽症の急性鼻副鼻腔炎(成人) | 抗菌薬を使わず経過をみる | 5日間 |
| 中等症以上の急性鼻副鼻腔炎(成人) | アモキシシリンの使用を考える | 5〜7日間 |
| 長引く・重い急性鼻副鼻腔炎(小児) | 通常は抗菌薬を使わず、長引く・重い場合にアモキシシリンの使用を考える | 7〜10日間 |
| 溶連菌が見つかった急性咽頭炎 | アモキシシリンの使用を考える | 10日間 |
| 溶連菌が見つかっていない急性咽頭炎 | 抗菌薬を使わない | - |
| 急性気管支炎(基礎疾患のない成人・百日咳を除く) | 抗菌薬を使わない | - |
診療する医師向けの手引きに書かれた推奨です。実際の薬と日数は、診察した医師の処方が優先されます(2026年10月19日確認)。
やめる・残す・取っておく、は資料でどう書かれているか
| 場面 | 資料の書き方 | どの資料か |
|---|---|---|
| 症状が良くなったので途中でやめる | 適切に処方された抗菌薬は、医師の指示通り最後まで服用すべき。体内に細菌が残っていると、ぶり返すことがある | 手引き第四版/AMR臨床リファレンスセンター |
| 自分の判断で量を減らす | 減らしてはいけない。血中の濃度が下がり、細菌が完全に死なずに薬に慣れるおそれがある | AMR臨床リファレンスセンター |
| 医師から中止の指示が出て、薬が余った | 適切に廃棄すべき | 手引き第四版 |
| 前回の残りを取っておき、熱が出たら自分で飲む | 不必要・不適切な使用につながるため控える | 手引き第四版 |
| 他人に処方された抗菌薬を飲む | 避ける | AMR臨床リファレンスセンター |
いずれも2026年10月19日に開いた資料の記載による。
なぜ国が飲み方まで決めているのか
厚生労働省の薬剤耐性(AMR)対策のページは、方向性として「適切な薬剤」を「必要な場合に限り」「適切な量と期間」使うことを挙げています。AMR臨床リファレンスセンターは、不十分な飲み方が、抗菌薬の効かない薬剤耐性菌を生むおそれがあると説明しています。
表のとおり、抗菌薬を使わないと推奨される病気もあれば、日数がはっきり決まっている病気もあります。手元の薬がどちらにあたるかは、病名と処方の中身で決まるので、受け取りの場で薬剤師に聞くのが近道です。症状のときだけ使う薬や、途中で量が変わる薬も、同じ窓口で分かります。
関連ページ
この話をnoteで読む熱が下がって元気になったのに、薬がまだ残っています。やめてよいものですか? 第87問このページの出どころ
- 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001630903.pdf(2026年10月19日確認) - 厚生労働省「薬剤耐性(AMR)対策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html(2026年10月19日確認) - AMR臨床リファレンスセンター(国立健康危機管理研究機構)「処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう」(2025年4月更新)
https://amr.jihs.go.jp/general/1-6-2.html(2026年10月19日確認) - AMR臨床リファレンスセンター「不適切な処方・不適切な服用」
https://amr.jihs.go.jp/general/1-2-2-1.html(2026年10月19日確認)
このページの作成日:2026年10月19日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。
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