電子処方箋の重複投薬チェックが突き合わせる処方・調剤情報は、原則100日分が保存されます(厚生労働省医薬局・重複投薬等チェックの概要、令和8年3月版。2026年10月19日確認)。お薬手帳を出していても、手帳にまだ載っていない分や、チェックの対象に入らない分は、見えません。
チェックの対象は、同じ投与経路で同じ成分が重なる場合と、添付文書で併用禁忌とされた組み合わせです。「同じ薬効」かどうかではなく、同じ成分・同じ投与経路を対象にする仕組みで、紙の処方箋は引換番号を入力して受け付けた場合に自動で実行されます。結果は参考情報で、最終の判断は医師・薬剤師です。
子どもの薬の袋とお薬手帳を並べ、手帳に貼っていない薬が1つないか見ます。
『今週、ほかの病院でもこの子の薬をもらいました。手帳にまだない分も見てもらえますか。』
子どもの処方せんとお薬手帳を出す、薬局のカウンターで、薬剤師に。
手帳とチェックで、見える範囲はどう違うか
| 見る手段 | 見える範囲 | 見えない範囲 |
|---|---|---|
| お薬手帳(紙・電子) | 複数の医療機関・薬局で出した分。薬局は調剤年月日・薬品情報・用法情報を提供し、求めに応じ少なくともQRコードで出力する | 手帳に記載・取り込みされていない薬 |
| 電子処方箋の重複投薬等チェック | 医療機関・薬局を問わず、電子処方箋管理サービスに登録された処方・調剤情報 | 未登録の薬、レセプト由来の薬剤情報、未調剤の処方、患者の閲覧同意がない過去の情報 |
| 口で伝える | 手帳にも登録にもない分。お薬手帳の活用などで、すでに処方されている薬を医師や薬剤師に伝える | 言い忘れた分 |
お薬手帳は平成27年11月27日付通知「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」、チェックは令和8年3月版の概要資料、口頭は厚生労働省の受診の案内による。
電子処方箋のチェックが拾うもの、拾わないもの
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 同一成分(同じ投与経路) | 重複投薬の対象。塩や水和物の違い、配合剤の構成成分も考慮 |
| 併用禁忌 | 添付文書で併用禁忌とされたもの |
| 同じ薬効 | 薬効そのものを判定する仕組みではない |
| 同じ医療機関が出した処方箋 | 原則、突き合わせの対象外(設定で変更可) |
| 入院時の処方、未調剤の処方 | 対象外 |
| 頓服・外用の飲む期間 | 一律14日とみなす |
厚生労働省医薬局「電子処方箋管理サービスにおける重複投薬等チェックの概要」(令和8年3月1.6版)による。
手帳を出すと、薬局の料金はどう変わるか(令和8年度改定後)
| 区分 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| 服薬管理指導料1 | 原則3月以内に再度処方箋を持参し、手帳を提示した患者 | 45点 |
| 服薬管理指導料2 | 1以外の患者(手帳を提示しない場合など) | 59点 |
服薬管理指導料は、薬局で薬を渡すときの説明や指導にかかる料金。厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」による。点数は改定前と同じで、区分1に「手帳を提示した」という条件が加わりました。
電子処方箋があっても、手帳が要らなくなるわけではない
電子処方箋(処方箋をデータで扱い、薬局が紙なしで受け取れる仕組み)では、医師や薬剤師が他の施設の直近の処方・調剤を、お薬手帳がなくても確かめられると厚労省は説明しています。一方で、使うには、マイナ保険証や資格確認書をカードリーダーにかざすなどの手続きが要ります(施設によっては診察室で医師に希望を伝える方式もあります)。
手帳は利用者本人のものです。複数の手帳を使っているときは、利用者が希望した1つにまとめることが通知の原則です。子どもの薬が複数の病院から出るときは、袋と手帳を両方持っていくと、薬剤師が見られる範囲が広がります。
関連ページ
この話をnoteで読むお薬手帳を出しているのに、子どもの薬が重なることはありますか? 第165問このページの出どころ
- 厚生労働省医薬局「電子処方箋管理サービスにおける重複投薬等チェックの概要」(令和8年3月1.6版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001125369.pdf(2026年10月19日確認) - 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001717704.pdf(2026年10月19日確認) - 厚生労働省 薬生総発1127第4号「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27年11月27日)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/ryuuizikou.pdf(2026年10月19日確認) - 厚生労働省「電子処方箋」
https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen_1year.html(2026年10月19日確認) - 厚生労働省 広報誌「厚生労働」2023年9月号 特集
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202309_001.html(2026年10月19日確認)
このページの作成日:2026年10月19日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。
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