給与が止まっても、保険料の計算は止まりません。仕事を休んでも会社との関係が続いていれば、保険料は休む前の給与額をもとに、会社と本人が半分ずつ負担します(厚生省の通知・昭和26年、2026年10月12日確認)。
変わるのは納め方です。会社は被保険者負担分と事業主負担分をまとめて、対象月の翌月末日までに納めます。産休・育休だけは、条件を満たすと両方の保険料が免除されます。
勤め先の総務・人事の担当者を1人決め、休む前に聞くことを1行メモします。聞くのは「納め方と時期」の1点だけです。
『休職中の社会保険料は、どういう納め方になりますか。いつ、どの方法で払えばよいか教えてください。』
休みに入る前に、勤め先の担当者に言います。
休みの種類で、保険料の扱いはこう分かれる
| 休みの種類 | 保険料 | 決まっていること |
|---|---|---|
| 病気などの休職(給料が一時的に止まる) | 免除なし。休む前の給与額で計算し、会社と本人で半分ずつ | 会社に納める責任がある。休職が長引き、使用関係が消えたと見られる場合は、加入資格を失うこともある |
| 産前産後休業 | 健康保険・厚生年金とも、本人分と会社分の両方が免除 | 産前42日(多胎は98日)から産後56日までの間に休む期間が対象。免除は月単位で、休業を始めた月から終了日の翌日が属する月の前月まで。有給か無給かは問わない |
| 育児休業 | 健康保険・厚生年金とも、本人分と会社分の両方が免除 | 満3歳未満の子を育てるための休業。開始月から、終了日の翌日が属する月の前月まで |
| 退職後に同じ健康保険へ残る(任意継続) | 会社の折半はなく、本人が納める | 期間は2年間。毎月10日までに納付。遅れると資格を失う |
2026年10月12日に確認した日本年金機構・協会けんぽ・厚生省通知の記載による。出典は下にまとめました。
病気で休むとき、給料が止まった分の保険料はどこから
厚生年金の保険料は、ふだん会社が給料から本人分を差し引き、会社の分とあわせて納めています。納期限は対象月の翌月末日です。給料が出ない月は差し引く元がないので、立て替えて後で精算する、振り込む、といった方法を会社ごとに決めることになります。
どの方法かは法律で一つに決まっていません。そのため、休みに入る前の聞き取りが役に立ちます。
病気で給料が出ないときには、傷病手当金(健康保険から出る手当)があります。協会けんぽの案内では、支給期間は支給開始日から通算1年6か月、1日あたりは標準報酬月額(保険料を決める基準になる給与額)の平均を30で割った額の3分の2です。この手当と保険料は別の話で、手当が出るから保険料が免除される、という書き方は確かめた範囲にありません。
産休・育休の免除は、会社の届出で始まる
免除は自動ではありません。本人が会社に休業を伝え、会社が年金事務所などへ申出書を出します。出す時期は、休業中か、終了日から1か月以内です。産前産後休業は添付書類が不要とされています。
免除された期間は、将来の年金額を計算するとき、保険料を納めた期間として数えられます。育休では、令和4年10月以降に始まった休業は、同じ月に14日以上休めば、その月も免除の対象になります。賞与の保険料も、月末を含む休業なら免除されますが、令和4年10月以降は、賞与月の末日を含む1か月を超える休業が条件です。
役員や、同居の親族だけを雇う事業の人など、育児・介護休業法の労働者にあたらない場合は、育休の免除を申し出られません。産前産後休業の免除は、事業主本人でも、健康保険・厚生年金の加入者なら受けられます。
関連ページ
この話をnoteで読む休んでいる間、保険料はどうなりますか? 第50問このページの出どころ
- 厚生省保険局「休職と被保険者資格について」(昭和26年3月9日保文発第619号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta2526&dataType=1&pageNo=1(2026年10月12日確認) - 日本年金機構「厚生年金保険料等の納付」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/nofu.html(2026年10月12日確認) - 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」(2026年10月5日更新)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/20140122-01.html(2026年10月12日確認) - 日本年金機構「産前産後休業期間中の保険料免除」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/sankyu-menjo/20140509-02.html(2026年10月12日確認) - 日本年金機構「育児休業等期間中の保険料免除」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/ikuji-menjo/20140327-05.html(2026年10月12日確認) - 協会けんぽ「傷病手当金」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/(2026年10月12日確認) - 協会けんぽ「任意継続」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/voluntary_continuation/index.html(2026年10月12日確認)
このページの作成日:2026年10月12日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。