退院後の暮らしの相談先は、全国に5,487か所ある地域包括支援センター(市町村が設置する高齢者の総合相談窓口。ブランチを含めると7,374か所、厚生労働省、令和7年4月末現在)と、入院している病院の相談員の2つが入り口です(2026年10月11日確認)。
病院の相談員の仕事を定めた「医療ソーシャルワーカー業務指針」は、令和8年3月13日の通知で全部改正されました。入院から退院までの環境の変化で生じる心理的・社会的・経済的な課題を、起きる前から予測して早く対応することが、業務として書かれています。
入院案内の紙や病院のウェブサイトで、相談窓口の名前(相談室、地域連携室など)と受付時間の欄を探し、そこだけスマホで撮っておく。
『退院したあとの生活のことを相談したいのですが、担当の方にお会いできますか。』
病棟の看護師か病院の受付に、退院の日が決まる前でも言えます。相談室の名前が分からなくても、この一言で案内してもらえます。
退院後の相談先は4つ。会える時期が違う
| 相談先 | 会える時期 | 書かれている役割 |
|---|---|---|
| 病院の相談員(医療ソーシャルワーカー) | 入院中 | 入退院・療養に伴う心理的、社会的、経済的な課題を予測して予防し、早く対応する(入退院支援・療養支援) |
| 入退院を支える病院の窓口(看護師など) | 入院前から退院直後まで | 入院前に、飲んでいる薬、栄養の状態、床ずれの危険因子、退院が難しくなる要因の有無を確かめる |
| 地域包括支援センター | 退院の前でも後でも | 地域の高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防に必要な援助 |
| 市町村の介護保険の窓口 | 要介護認定を申請するとき | 介護サービスを使うための認定の申請先(認定は市町村が行う) |
出典:厚生労働省 医療ソーシャルワーカー業務指針(令和8年3月13日通知)、中央社会保険医療協議会 総会資料「入院(その7)」(令和5年12月15日)、地域包括支援センターのページ、介護保険制度の概要。2026年10月11日確認。
病院が、退院後の支援を早めに考える目安
病院が退院後の支援を考えはじめるきっかけとして、診療報酬の説明資料に「退院困難な要因」が並んでいます。次の表は、令和6年度の診療報酬改定に向けた令和5年12月の資料の記載です。令和8年度の改定後の表記は、この表には反映していません。
| 分け方 | 資料に挙がっている要因 |
|---|---|
| 病気・状態 | 悪性腫瘍、認知症、誤嚥性肺炎等の急性呼吸器感染症、長期的な低栄養が見込まれる |
| 入院のしかた | 緊急入院、入退院を繰り返している |
| 手続き | 要介護認定が未申請 |
| 暮らしの様子 | 入院前よりADLが低下し生活様式の再編が必要、排泄に介助を要する、生活困窮者、虐待を受けている疑い、家族の介助等を日常的に行う児童等 |
| 退院後 | 退院後に医療処置が必要 |
令和5年12月15日の中央社会保険医療協議会 総会資料の記載(令和4年度に追加された項目を含む)。2026年10月11日確認。
親の入院がこの表のどれかに当てはまるときは、退院の日を待たずに、病棟で相談の希望を伝えておく目安になります。当てはまらなくても、相談はできます。
介護サービスを使うときの流れと負担割合
介護サービスは、市町村の窓口に申請して認定を受けてから使います。認定の区分は、要支援1・2と要介護1〜5の7つです。流れは、申請、認定調査(基本調査74項目と特記事項)と主治医意見書、コンピュータによる一次判定、介護認定審査会による二次判定、認定の順です。
| 利用者負担 | 合計所得金額 | 年金収入+その他の合計所得金額(単身/夫婦) |
|---|---|---|
| 1割 | 基本の負担割合 | 2割・3割の条件に当てはまらない場合 |
| 2割 | 160万円以上 | 280万円以上/346万円以上 |
| 3割 | 220万円以上 | 340万円以上/463万円以上 |
厚生労働省「介護保険制度の概要」の記載。制度は改正されることがあります。2026年10月11日確認。
病院に相談室の名前がないときや、相談員が見つからないときは、地域包括支援センターが入り口になることもあります。置かれている職種や相談できる範囲は病院で違うので、入院先の案内に沿って聞くのが早道です。
関連ページ
この話をnoteで読む退院したあとの生活は、誰に相談すればいいですか? 第48問このページの出どころ
- 厚生労働省「医療ソーシャルワーカー業務指針の全部改正について(通知)」(令和8年3月13日 医政発0313第4号)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001673455.pdf(2026年10月11日確認) - 厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会資料「入院(その7)」(令和5年12月15日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001178970.pdf(2026年10月11日確認) - 厚生労働省「地域包括支援センター」(令和7年4月末現在の設置数)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/(2026年10月11日確認) - 厚生労働省「介護保険制度の概要」(認定の流れ・利用者負担)
https://www.mhlw.go.jp/content/001512842.pdf(2026年10月11日確認)
このページの作成日:2026年10月11日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。