ひと月の医療費の自己負担が上限を超えたときに戻る分(高額療養費)は、診療を受けた月の翌月1日から2年で時効になり、申請できなくなります(協会けんぽ「健康保険高額療養費支給申請書」のページ、2026年10月10日確認)。
出す先は病院や薬局ではなく、保険証や資格確認書に発行元として書いてある加入先です。協会けんぽなら加入している支部、市区町村の国民健康保険なら市区町村の窓口、75歳以上なら後期高齢者医療広域連合(または市区町村の窓口)と、加入先で変わります。
保険証か資格確認書の発行元の名前を読み、下の表のどの行かを決める。マイナ保険証の人は、マイナポータルの資格情報の画面で加入先を見られる。
『入院費が上限を超えたようです。申請書はどこに出しますか。いつまでに出せばいいですか』
加入先の窓口か電話で。病院の会計で「うちではありません」と言われたあとに、聞き直す先として使えます。
保険証に書いてある名前で、申請先が決まる
| 加入先(券面の名前) | 申請先 | 出し方・確かめられたこと |
|---|---|---|
| 全国健康保険協会(協会けんぽ) | 加入している協会けんぽの支部 | 紙の申請書は支部へ郵送。電子申請なら支部を選ぶ必要はない。時効は診療月の翌月1日から2年 |
| ○○健康保険組合 | 券面に書かれている健康保険組合 | 厚生労働省は、書かれている健康保険組合に問い合わせるよう案内している。持ち物と期限は組合ごとに聞く |
| 市区町村名(国民健康保険) | その市区町村の国民健康保険の窓口 | 厚生労働省は、書かれている市区町村の窓口に問い合わせるよう案内している |
| ○○国民健康保険組合 | 券面に書かれている国民健康保険組合 | 厚生労働省は、書かれている組合に問い合わせるよう案内している |
| ○○後期高齢者医療広域連合(75歳以上) | 広域連合、または広域連合が案内する市区町村の窓口 | 東京都の例では、住んでいる区市町村の担当窓口に返送か持参。申請は初回のみで、2回目以降は申請なしで振り込まれる。期限は診療月の翌月1日から2年 |
協会けんぽ、厚生労働省、東京都後期高齢者医療広域連合の各ページから作成。2026年10月10日確認。広域連合の窓口の分け方は都道府県で違うことがあります。
期限は、診療を受けた月の翌月1日から2年
協会けんぽのページでは、健康保険の給付を受ける権利は、受けられるようになった日の翌日から2年で時効になると書かれ、高額療養費では診療月の翌月1日が数え始めの日です。たとえば10月に受けた診療なら、11月1日から2年が期限の数え方になります。
この2年は、協会けんぽと東京都の後期高齢者医療広域連合のページで確かめた数字です。健康保険組合や国民健康保険組合の期限は、ここでは数字を取れていません。窓口で聞く項目に入れておくと、書類を作り直さずに済みます。
窓口の支払いを先に抑える入り口と、あとから申請する入り口は別
入院などで医療費が高くなるとわかっているときは、医療機関の窓口でマイナ保険証を出すと、窓口での支払いが自己負担の上限までになります。協会けんぽは、この場合は限度額適用認定証(上限までの支払いにする証)の申請は不要としています。ただし、医療機関がオンライン資格確認を導入していることが前提です。
認定証が要るのは、オンライン資格確認がない医療機関にかかるとき、協会けんぽにマイナンバーの登録がないとき、資格確認書で受診するときなどです。住民税非課税などの低所得の区分の人は、マイナ保険証でも申請が必要とされています。認定証は申請した月より前の月には出せないため、入院が決まったら早めに動く必要があります。有効期間は最長1年です。
この方法を使っても、複数の医療機関や月をまたぐ分、年間上限の還付などは、あとで申請する側の話になります。令和8年8月から、年間(8月〜翌年7月)の上限が新しく設けられました。上限を超えた分は加入先から還付を受けられます(厚生労働省、更新日2026年7月31日)。金額は区分ごとに違うので、厚生労働省のページか、下の関連ページの表で自分の区分を見てください。
全額払ったお金が戻る話は、別の入り口になる
マイナ保険証を出せずに全額払ったときなどは、療養費(いったん全額を払い、あとから保険の分を払い戻してもらう仕組み)の申請になります。協会けんぽのページでは、国民健康保険など別の保険の資格で受診して返還したとき、生血液を輸血したときなども対象に挙げています。申請先は同じく加入している支部です。
上限を超えた分が戻る高額療養費と、全額払いの分が戻る療養費は、書類も窓口も別です。同じ月に両方ある場合も、聞くときは1つずつ分けると話が早くなります。
関連ページ
この話をnoteで読む高額療養費は、どこに申請すればいいですか? 第30問このページの出どころ
- 協会けんぽ「健康保険高額療養費支給申請書」(時効2年・起算日は診療月の翌月1日・提出先)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r119/(2026年10月10日確認) - 協会けんぽ「限度額適用認定証」(マイナ保険証との関係・認定証が必要な場合・有効期間)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/high_cost_medical_expenses/001(2026年10月10日確認) - 協会けんぽ「高額療養費」(提出先は加入している支部)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/high_cost_medical_expenses/002(2026年10月10日確認) - 協会けんぽ「療養費(医療費の立替)」(対象になる場面・提出先)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/medical_expenses/001/index.html(2026年10月10日確認) - 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(更新日2026年7月31日・加入先ごとの問い合わせ先・年間上限)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html(2026年10月10日確認) - 東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」(申請先の例・初回のみ・期限)
https://www.tokyo-ikiiki.net/seido/kyufu/1002187/1000525.html(2026年10月10日確認)
このページの作成日:2026年10月10日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)
このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。