55〜59歳で雇われて働いている人のうち12.3%が、家族を介護しながら働いています(総務省「令和4年就業構造基本調査」、厚生労働省の介護休業制度特設サイトに掲載・2026年10月9日確認)。

法律で決まっている休み方は2つあり、まとめて休むなら家族1人につき通算93日(3回まで分けられる)、短く休むなら1年に5日(介護する家族が2人以上なら10日)で、時間単位でも取れます。93日のほうは、雇用保険に入っていて条件を満たせば、休業を始めたときの賃金日額の67%が給付されます。

今日できること(1分)

社内ポータルか就業規則の目次で「介護」を探し、申し出る先(人事・総務の担当名)を1行だけメモしておく。

窓口でそのまま言える一言

『親の介護で休みが必要になりそうです。介護休暇と介護休業の申出先と期限を教えてください。』

勤め先の人事・総務の担当に。まとめて休みたい日の2週間より前に言えると、希望どおりの日から休めます。

休み方は3通り:日数・お金・申し出の期限

休み方日数・期間お金申し出(先と期限)
まとまって休む(介護休業)対象家族1人につき通算93日まで。3回まで分けて取れる雇用保険の介護休業給付金:休業開始時賃金日額×支給日数×67%(1か月ごと)勤め先へ。休業開始予定日の2週間前までに書面等で
短く休む(介護休暇)1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)。1日単位か時間単位有給か無給かは会社の規定による。年次有給休暇とは別枠勤め先へ。書面に限らず口頭でもよい
働き方を変える:残業なし(所定外労働の制限)1回1か月以上1年以内。回数の制限なし休む制度ではないので給付はなく、働いた分の給与勤め先へ。開始予定日の1か月前までに書面等で請求
働き方を変える:残業に上限(時間外労働の制限)時間外労働は1か月24時間・1年150時間まで。1回1か月以上1年以内同上勤め先へ。開始予定日の1か月前までに書面等で請求
働き方を変える:短時間・時差出勤など(短時間勤務等の措置)対象家族1人につき、利用開始から連続3年以上の期間で2回以上会社が介護サービス費用の助成を選んでいる場合はその分勤め先の決めた手続きで。会社は短時間勤務・フレックス・時差出勤・費用助成のうち1つ以上を用意する

厚生労働省「介護休業制度特設サイト」・ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」より(2026年10月9日確認)。会社の就業規則が法律より手厚いことがあります。

休んでいる間のお金の計算

介護休業給付金(雇用保険から、介護で休んだ期間の収入を補うお金)は、1か月ごとに「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算されます。賃金日額は、原則として休業前6か月の賃金を180で割った額で、支給日数は休業の最後の月以外は30日です。たとえば休業前6か月の賃金が毎月30万円なら、賃金日額は1万円、1か月分は1万円×30日×67%で約20万1千円になります。

受け取れるのは、休業を始めた日より前の2年間に、働いた日が11日以上ある月(足りない場合は働いた時間が80時間以上の月)が12か月以上ある人です。休業中の1か月に会社から休業前の8割以上の賃金が出ている月や、働いた日が10日を超える月は対象になりません。会社から一部賃金が出て、給付と合わせて8割を超える分は減らされます。賃金月額には上限と下限があり、毎年8月1日に見直されます。

申請は原則として会社を通してハローワークへ出し、期限は休業が終わった日の翌日から2か月たつ日の属する月の末日までです(本人が自分で申請することもできます)。

使える家族の範囲と、使える人

対象の家族は、配偶者(事実婚を含む)・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母です。家族の状態は「けがや病気、障害で、2週間以上にわたり常に介護が必要」な状態とされ、5つの休み方・働き方で同じ考え方が使われます。

パートや契約社員でも使えます。ただし有期契約で93日の休業を取るときは、休業開始予定日から93日たった日から6か月までに契約が終わり更新されないことが明らかでないことが必要です。会社が労使協定を結んでいる場合、まとめて休む制度は勤続1年未満の人や週2日以下で働く人などが対象外になることがあります。

2025年4月から変わったこと

2025年(令和7年)4月1日から、短く休む介護休暇は勤続6か月未満の人も労使協定で外せなくなりました(週2日以下の人を外せる仕組みは残っています)。

同じ日から、社員が「家族の介護に直面した」と会社に伝えると、会社は休み方の制度・申出先・介護休業給付金について個別に知らせ、使うかどうかの意向を確かめなければならなくなりました。取得を控えさせるような伝え方は認められていません。40歳になった年などの早い時期に制度を知らせることや、介護のためのテレワークを選べるようにすること(努力義務)も加わっています。

まとまった休みは、介護の手を自分で担うためというより、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、介護サービスと家族の分担を整えるための期間として使うよう、厚生労働省は案内しています。法律のことで勤め先と話がかみ合わないときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談先です。

関連ページ

この話をnoteで読む介護のために仕事を休む制度って、あるんですか? 第41問

このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月9日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

ご利用にあたって(免責事項)

このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。給付金の受給の可否や金額は、勤め先とハローワークの判断によります。