病院や薬局のレシート(領収書)は、税務署へ出す紙ではありません。国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月9日確認)によると、出すのは集計した明細書の1枚で、レシートの束は確定申告の期限から5年、自宅に置いておく扱いです。

差し引ける額は、1年(1月1日〜12月31日)に払った医療費から保険などで戻る分と10万円(所得の合計が200万円未満なら、その5%)を引いた残りで、上限は200万円です。加入している健康保険から届く「医療費のお知らせ」に決まった6項目が載っていれば、その分はレシートを残さなくても足ります。

今日できること(1分)

手元にある「医療費のお知らせ」を1枚出して、病院・薬局の名前の欄と、自分で払った額(1〜3割の額)の欄が埋まっているかだけ見る。

窓口でそのまま言える一言

『医療費控除の明細書は、人ごと・病院ごとにまとめて書いてもいいですか?』

税務署の申告相談の窓口や電話で、書き始める前に1回。国税庁は、受けた人ごと・病院ごとにまとめて書ける記載例を出しています。

手元の紙ごとに、税務署へ出すか・家に置くか

手元の紙確定申告でレシートの保管
明細書(受けた人・病院ごとの合計を書く用紙)申告書に添えて出す明細書に書いた分のレシートは5年間、自宅に置く
病院・薬局のレシート(領収書)出さない5年間。その間に税務署から見せるよう求められることがある
医療費のお知らせ(6項目がそろったもの)申告書に添えて出せる。明細書の記入が短くなるお知らせに載った分は保存しなくてよい
医療費のお知らせ(病院名が空欄・10割の総額だけ)そのままでは使えない。書き足すか、レシートから明細書へ書き足した分・明細書に回した分は5年間
お知らせに載らない支払い(市販薬・自由診療・反映前の分)明細書に書き、お知らせと一緒に出す5年間
マイナポータルの医療費データ(XML)をe-Taxで送るデータのまま添えて送れるデータに含まれる分は保存しなくてよい
マイナポータルの画面やPDFを印刷したもの参考として添えられる(原本ではない)該当する分は5年間
おむつ使用証明書など日付・名称・証明した医療機関を明細書の余白に書けば、添えなくてよい証明書もレシートと一緒に5年間

国税庁 タックスアンサー No.1119 と、そのQ&A(Q1〜Q14)から。令和8年4月1日現在法令等。2026年10月9日確認。

お知らせで足りる条件は、6つの欄がそろっていること

「医療費のお知らせ」(加入している健康保険(保険証に発行元として書いてあるところ)が年に何回か送ってくる、受診先と支払額の一覧)を申告に使えるのは、次の6項目がすべて載っているときです。①加入している本人の氏名 ②受診した年月 ③受診した人の氏名 ④病院・診療所・薬局の名前 ⑤窓口で払った額 ⑥お知らせを出した健康保険の名前。後期高齢者医療の広域連合が出すものは③が無くても使えます。

どの項目を載せるかは発行元ごとに任されているため、1項目欠けているお知らせもあります。とくに⑤が10割の総額だけのもの、④が空欄の行は、そのままでは添付に使えません。その行だけ書き足すか、レシートから明細書に書けば申告できますが、書き足した行のレシートは5年残す側に回ります。

お知らせの額と窓口で払った額が数円ずれるのは、窓口では10円未満を四捨五入しているためで、どちらの額で計算してもよいとされています。市区町村の子どもの医療費助成などで窓口負担が無かった分は、お知らせに額が載っていても差し引けません。

差し引ける額と、対象になる支払い・ならない支払い

1年の所得の合計(総所得金額等)差し引く前に引く額例:医療費15万円・戻り0円のとき
200万円以上10万円5万円
150万円7.5万円(5%)7.5万円
100万円5万円(5%)10万円

国税庁 No.1120 の式(払った医療費−保険などで戻る額−10万円または所得の合計の5%、上限200万円)で計算した例。差し引けるのは所得からで、戻る税金の額そのものではありません。

医療費控除(1年に払った医療費が多いとき、確定申告で所得から差し引ける仕組み)の対象は、本人と、生計を一にする家族のために払った分です。保険から出た入院給付金や高額療養費は、その給付の対象になった医療費から引きます。

支払い対象になるか国税庁の書き方の要点
病院・歯科の診療代、薬局で払った処方薬の代金なる診療・治療の対価、治療に必要な医薬品
かぜ薬など、治療のために買った市販薬なるかぜをひいたときのかぜ薬は医療費になる
ビタミン剤など予防・健康のための薬ならない病気の予防や健康増進のためのもの
通院の電車・バス代なる診療を受けるために直接必要な通院費
タクシー代原則ならない電車やバスが使えない場合は除く
自家用車のガソリン代・駐車場代ならない控除の対象に含まれない
健康診断・人間ドック、医師へのお礼原則ならない健康診断の費用や謝礼金は原則含まれない
入院の部屋代・食事代、コルセットなどなる(通常必要なもの。自分の希望で選んだ個室の差額ベッド代などは入らない)診療を受けるために直接必要なもの
家族や親類に払った付添料ならない付添料の名目でも医療費にならない
おむつ代(おおむね6か月以上寝たきりで治療中)なる医師の「おむつ使用証明書」が必要

国税庁 No.1122(令和8年4月1日現在法令等)から抜き出し。2026年10月9日確認。

ドラッグストアの市販薬は、どちらの申告で使うか

治療のために買った市販薬は、通常の医療費控除にも入ります。レシートは病院・薬局の分と同じく明細書に書き、5年間置いておきます。

もう1つ、セルフメディケーション税制(医療用から転用された一部の市販薬の購入費で受けられる、医療費控除の特例)があります。その年に健康診断や予防接種などを受けた人が使え、対象の市販薬の合計から1万2,000円を引いた額(上限8万8,000円)を差し引きます。対象品のレシートにはその旨の表示があります。

ただし同じ年に使えるのはどちらか一方で、両方を合わせて受けることはできません。選んだあとで、更正の請求や修正申告によって選び直すこともできないとされています。病院代が多い年と、市販薬だけの年とで向き不向きが変わるので、どちらで出すかは1年分の合計を出してから決める順番になります。

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このページの出どころ

このページの作成日:2026年10月9日(制度や数字が新しくなったら、作り直します)

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このページは、患者と、患者の家族の立場で、厚生労働省などが公開している資料を調べて並べたものです。本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針や税務・手続きの個別の判断を示すものではありません。運営者は医師・薬剤師・税理士ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は公式資料でご確認のうえ、個別のご相談は医師・薬剤師、加入している健康保険の窓口、市区町村、税務署などにお願いします。