シリーズ5 第4回:「家族が遠くにいるとき、薬局にどこまで頼っていいのか」 「一人暮らし・高齢期と薬局のつきあい方」 #154
親が一人暮らしをしていて、自分は遠くに住んでいる。電話では「大丈夫」と言うけれど、本当に薬をきちんと飲めているのか、体調はどうなのか、心配になることはないでしょうか。
顔を合わせる機会が限られる中で、「もう少し近くで見守ってくれる人がいたら」と感じる場面は、少しずつ増えていきます。
そんなとき、地域の薬局は「薬を渡すだけの場所」ではなく、「ゆるやかな見守り役」としても頼ることができます。
薬剤師さんは定期的に本人と顔を合わせ、処方内容の変化や体調のちょっとした変化に気づきやすい立場にいます。
たとえば、次のようなお願いや相談が考えられます。
- 「離れて暮らしている子どもですが、親の薬の飲み方が心配です。こちらから何か情報をお伝えしたほうがよいですか?」
- 「通院や薬の受け取りが難しくなってきたとき、利用できるサービスや在宅訪問について教えてもらえますか?」
重要なのは、「全部を薬局に丸投げする」のではなく、「家族では気づきにくい日常のサインを教えてもらう」というスタンスです。
たとえば、「最近、飲み忘れが増えている印象がある」「以前より足取りが不安定に見える」など、小さな変化を知るだけでも、その後の受診やサポートを考えるきっかけになります。
もちろん、本人のプライバシーとのバランスも大切です。
可能であれば、親御さんが薬局にいるタイミングで電話をつなぎ、「今後のことを一緒に相談したい」と3者で話す場を作るのも一つの方法です。
「何かあったら連絡してください」と一方的にお願いするのではなく、「こういうことが心配なので、気づいたことがあれば教えてもらえますか」と、具体的な心配ごとを共有しておくと、お互いに動きやすくなります。
離れて暮らす家族にとって、薬局は「何かあったときの緊急連絡先」ではなく、「日常の小さな変化を一緒に見てくれるパートナー」に近い存在になりえます。
最終回となる第5回では、自分自身のこれからと親世代のこれからを見すえながら、「今のうちからどんな準備や話し合いをしておくと安心か」を整理していきます。
