シリーズ5 第3回:「飲み忘れ・飲み間違いを減らすには──お薬カレンダーや一包化を“どう頼むか”」 「一人暮らし・高齢期と薬局のつきあい方」​ #153

年齢とともに薬の数が増えてくると、「あれ、さっきこの薬飲んだっけ?」という不安が増えてきます。​
一人暮らしでなくても、家族それぞれの予定がバラバラだと、誰かがしっかり管理するのはなかなか大変です。​
そんなときに役立つのが、「お薬カレンダー」や「一包化」といった、飲み忘れ・飲み間違いを減らすための工夫です。​

お薬カレンダーは、1週間分や1か月分のポケットに、飲むタイミングごとに薬を入れておける道具です。​
「朝・昼・夕・寝る前」と区切っておけば、ポケットが空いているかどうかを見るだけで、飲み忘れが一目で分かるようになります。​
一包化は、1回分に飲む薬を1つの小袋にまとめる方法で、「朝食後」「夕食後」などが袋に印字されているので、視力が落ちてきた方にも分かりやすくなります。​

とはいえ、「そういう工夫があるのは知っているけれど、自分からお願いするのは気が引ける」という方も多いと思います。​
そんなときは、具体的な制度の名前を出さなくても大丈夫です。​
たとえば、こんなふうに聞いてみるとよいかもしれません。​

  • 「最近、薬の数が増えてきて、飲み忘れが心配です。何か管理しやすい方法はありますか?」
  • 「1回分ずつに分けてもらうことってできますか?その場合、どんなふうに変わりますか?」

このように、「困っていること」を先に伝えると、薬剤師さんの側から「お薬カレンダーを使ってみませんか」「一包化という方法がありますよ」と提案してもらいやすくなります。​
もし追加の料金や条件がある場合も、その場で説明してもらえるので、「知らないうちに負担が増えていた」という心配も減らせます。​

家族が管理している場合でも、同じように薬局に相談できます。​
「親が一人暮らしで、薬の管理が心配です。家族として、どんなサポート方法がありますか?」
と聞くと、「訪問や電話でのフォロー」「飲み方のまとめシート」「お薬カレンダーの使い方」といった、いくつかの選択肢を教えてもらえるはずです。​

飲み忘れや飲み間違いを完全になくすのは難しいかもしれませんが、薬局と一緒に仕組みを作ることで、失敗しにくい環境を整えることはできます。​
次回の第4回では、離れて暮らす家族がいる場合に、「薬局にどこまで頼っていいのか」「どんな情報を共有しておくと安心か」について考えていきます。