シリーズ2 第2回:「近くて便利だけじゃない──それぞれの薬局タイプの“いいところ・ちょっと困るところ”」 「敷地内・門前・街なか薬局のちがい」 #122

前回は、「敷地内薬局」「門前薬局」「街なか薬局」という3つのタイプをご紹介しました。今回は、患者さん目線でそれぞれの“いいところ”と、“ちょっと困ることもあるかもしれない点”を、少し具体的に見ていきたいと思います。どこが正解という話ではなく、「自分にとってどうか」という視点で読んでいただければうれしいです。
まず、敷地内薬局の一番の良さは、とにかく「近くてラク」という点です。大きな病院で長く待ったあとでも、そのままほとんど移動せずに薬が受け取れます。入院や手術の前後など、体力的にも精神的にも負担が大きいときには、この近さがとても助かります。一方で、患者さんの数が多く、どうしても一人ひとりとの会話の時間が短くなりがちで、「もっとゆっくり相談したかったのに」と感じる場面もあるかもしれません。
門前薬局は、「その病院・その診療科に慣れている」という強みがあります。同じ病院からの処方箋をたくさん扱っているので、よく出る薬の在庫が整っていたり、副作用や飲み合わせの傾向をつかんでいたりすることが多いです。その反面、「その病院に通っているときは便利だけれど、別の病院の薬もまとめて相談したい」というニーズには、少し対応しづらいこともあります。どうしても“その病院にひもづいた薬局”という色合いが濃くなるためです。
街なか薬局は、「生活の中で付き合いやすい」という点が特長です。家や職場の近く、よく行くスーパーや駅のそばにあれば、処方箋をもらうたびに同じ薬局に持って行きやすくなります。かかりつけ医が複数あっても、薬局を一つにしておくことで、飲み合わせのチェックや残薬の整理を任せやすいという良さもあります。ただし、大病院でしか出ないような特殊な薬は、すぐに在庫がなく取り寄せになる場合もあり、その点は少し不便に感じることがあるかもしれません。
このように、それぞれの薬局タイプには「助かる場面」と「ちょっと気をつけたい場面」があります。短期的には「今日は体調が悪いから、とにかく近いところ」「天気が悪いから移動が少ないところ」という選び方も、とても大事です。一方で、長く通うことを考えるなら、「自分や家族の薬をまとまって見てもらいたいか」「ゆっくり相談したいタイプか」など、少し先のこともイメージしておくと、薬局選びが変わってきます。
次回の第3回では、こうした違いを踏まえながら、「自分にとっての良い薬局・良い薬剤師さんをどう見つけていくか」という視点でお話ししたいと思います。どのタイプの薬局であっても、信頼して相談できる薬剤師さんと出会えることが、いちばんの安心につながるはずですよね。