シリーズ8 第5回 「一人で抱え込まないために──“誰に何を頼むか”だけ決めておく」 「在宅と薬剤師──“家に人を入れる”前にできる準備」 #185
親の通院や薬のこと、これからの在宅や介護のことを考え始めると、「ちゃんと考えなきゃ」と思う一方で、考えるほど不安が膨らんでしまうことがあります。全部を自分で決めようとすると、情報も選択肢も多すぎて、頭がいっぱいになってしまうのです。「どこまでやればいいのか」「何から手をつければいいのか」が、見えにくいからです。
そんなときに目指したいのは、「すべてを決める」ことではなく、「誰に何を頼むか、今できる一歩だけ決めておく」ことです。たとえば、「薬の整理と今後の通院のことは、まず薬剤師さんに相談してみる」「在宅や介護保険のことは、地域包括支援センターに一度話を聞きに行く」といった具合に、“担当”を分けてしまうのです。自分ひとりで完璧な答えを出そうとしなくていい、と決めるだけでも、気持ちはかなり軽くなります。
在宅や介護は、長い付き合いになります。スタートの時点で100点の計画を立てる必要はありません。大事なのは、「この人にまず相談しよう」「ここまでは人に頼ってもいい」と決めておくことです。薬剤師という“外側の専門職”をうまく使いながら、少しずつ相談相手を増やしていく。その積み重ねが、「一人で抱え込まない」在宅・介護への一番現実的な近づき方になります。
