シリーズ5 第1回:「年を重ねると、薬局とのつきあい方はどう変わるのか」 「一人暮らし・高齢期と薬局のつきあい方」 #151

若いうちは、薬局に行くのは「たまに風邪をひいたとき」くらいかもしれません。薬をもらって、さっと帰る。それで済んでしまうので、薬局とのつきあい方について深く考える機会はあまりありません。ところが、年を重ねて持病が増えてくると、薬局はだんだん「たまに行く場所」から「定期的に通う場所」に変わっていきます。

高血圧や糖尿病などの慢性の病気が増えてくると、毎月のように処方箋を持って薬局へ行くことになります。薬の数が増えるにつれて、「飲み忘れ」「飲み間違い」「どの薬が何の薬か分からない」といった困りごとも増えがちです。それでも、「病院で説明を受けたし、薬局ではあまり時間を取りたくない」と思ってしまい、ついそのままにしてしまう方も少なくありません。

一人暮らしや高齢になってくると、さらに状況は変わります。体力的に外出が負担になってきたり、家の中での転倒リスクが高まったりする中で、「毎回、病院と薬局の両方に通う」というのは簡単なことではありません。それでも多くの人は、「薬をもらいに行くのは自分の仕事」と思い込んでしまい、限界ギリギリまで無理をしてしまうことがあります。

本当は、こうした変化に合わせて、薬局側の関わり方も少しずつ変えていくことができます。家まで薬を届けてもらったり、飲み方の工夫を一緒に考えてもらったり、家族と連携して見守り役になってもらったり。そうした「一歩踏み込んだ関わり」は、制度の変化とともに少しずつ広がっています。

このシリーズでは、「在宅訪問」「お薬カレンダー」「一包化」といった言葉を、専門的に語るのではなく、「患者や家族として、どんな場面で、どうお願いできるのか」という視点で整理していきます。第2回では、「家まで来てくれる薬局って本当にあるの?」「どんなことをしてくれるの?」という素朴な疑問から、在宅訪問のイメージを一緒につかんでみたいと思います。